映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.246:「トーク・トゥ・ハー」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は246本目。タイトルはペドロ・アルモドバル監督による2003年公開作品「トーク・トゥ・ハー」。特典映像としては「メイキング」「プロモーション映像」「インタビュー」「予告編集」で、計59分が収録されている。「インタビュー」では、監督のペドロ・アルモドバルが「この映画は私の前作と同様、単純明快に見えるが、多くの要素を含んでいて実は複雑だ。二人の男の友情を描くが、それは純粋なものではなくまったく偶然に生まれたものだし、この物語は意志の伝達とその欠如についても語っているんだ。」と言い、「映画のもう一つの鍵は何も言わず横たわる女性の肉体だ。動きの無い肉体には生命が感じられないし、表現手段を持たない。だが、その存在こそが言葉なんだ。」とも語っている。また「孤独と狂気もこの映画では大きな意味を持つ。本作の登場人物は主人公も脇役も、孤独だ。また私が語りたい狂気は、ほとんど正気と見分けがつかない。時には理性の世界に住んでいる人々よりも、狂気の方が優しいんだ。本作の脚本は様々な人間から着想を得たよ。」とインタビューに答えている。

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作品としては、「オール・アバウト・マイ・マザー」「私が、生きる肌」などで有名な、スペインの映画監督ペドロ・アルモドバルの2003年日本公開作。第75回アカデミー賞では「監督賞」にノミネートされ、「脚本賞」を受賞している。久しぶりに鑑賞したら、ブラジルのアーティストである、カエターノ・ヴェローゾが歌唱するシーンがあり、その美しさには恍惚としてしまった。ある男の歪んだ愛を描きながらも、映画の脚本としては非常によく出来ており、まったく先が読めない。歴代ペドロ・アルモドバル監督作品の中でも、ストーリーの面白さという意味では屈指だと思う。特に「バッド・エデュケーション」にも出演していた、ハビエル・カマラの演技が素晴らしい。個人的には、最初に観た時よりもクライマックスの衝撃度が高く、強く印象に残る作品だった。

 

監督:ペドロ・アルモドバル
出演:レオノール・ワトリング、ハビエル・カマラ、ダリオ・グランディネッティ、ロサリオ・フローレス
日本公開:2003年