映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は252本目。タイトルはロバート・レッドフォード監督による、1993年公開作品「リバー・ランズ・スルー・イット」。特典映像としては、「メイキング」「削除シーン」「オリジナル劇場予告編」「日本版劇場予告編」で計52分が収録されている。「メイキング」では、監督のロバート・レッドフォードが、「原作では弟のポールは魅力的に描かれているが、欠陥のある人間なのは確かだ。だがその欠陥は描かれず、ポールの魅力と愛情に溢れている。彼の心の闇は仄めかされているだけだ。だから原作にない部分を、映画では補完しようと思ったんだ。」と言い、「原作者のノーマンの文体でなければ作品の魅力は半減する。そこで映画は老いたノーマンが過去を回想する形にしたんだ。そうする事で、彼の文体を映画に持ち込める。家族の思い出を語る釣り人の回想という形がしっくりきたんだよ。」と語っている。また「ブラッド・ピットは当時経験が浅く、力量的にはまだまだだった。だが、彼の事は気に入ったよ。ポール役にぴったりだと思ったし、私に似てる部分も多かった。最初は役を”出来の悪い弟”だと捉えて、まるでジェームズ・ディーンのように演じていたが、指摘したらすぐに修正した。監督して私が求めたものに、俳優たちは全員応えてくれたよ。」とインタビューに応えている。
作品としては、「明日に向って撃て!」「スティング」などの出演作だけでなく、「普通の人々」「クイズ・ショウ」などの監督作でも評価されているロバート・レッドフォードがメガホンを取った、ヒューマンドラマ。ノーマン・マクリーンの小説「マクリーンの川」を原作にしている。主演はクレイグ・シェイファー、ブラッド・ピット、トム・スケリット、エミリー・ロイドなど。特に若手俳優だったブラッド・ピットは、本作で初期のキャリアを築き上げたと評価されている。また子役時代のジョセフ・ゴードン=レヴィットが出演していることも驚いた。舞台となったモンタナ州の雄大な自然を美しく描き、第65回アカデミー賞では撮影賞を受賞している。今回4Kリマスター版ブルーレイで鑑賞したが、派手さはないがゆっくりと心に染み入るような素晴らしい映画だった。
監督:ロバート・レッドフォード
出演:ブラッド・ピット、クレイグ・シェイファー、トム・スケリット、エミリー・ロイド、ジョセフ・ゴードン=レヴィット
日本公開:1993年