映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.279:「ブラック・ダリア」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は279本目。タイトルはブライアン・デ・パルマ監督による、2006年公開作品「ブラック・ダリア」。特典映像としては、「ブライアン・デ・パルマ監督が描く現実と虚構の世界」「実際の“ブラック・ダリア事件"」「事件ファイル」「予告編&TVスポット集」で、計54分が収録されている。「ブライアン・デ・パルマ監督が描く現実と虚構の世界」では、原作のジェイムズ・エルロイが「デ・パルマ監督がこの作品で挑んだのは、アメリカを震撼させた迷宮入りの猟奇殺人を映画化することで、真相解明することだった。私と同様にこの事件に魅せられたんだ。映画化は一種のイベントであり、デ・パルマ作品の集大成となった。恋愛もの、犯罪サスペンス、そしてフィルム・ノワールやスリラーの要素も入っているからね。」と言い、監督のブライアン・デ・パルマは「フィルム・ノワールはハイ・コントラストの光を始め、影やローアングルが多い。まるで地獄に転げ落ちていくように悪事が続くんだ。最初のボクシングシーンまでは彩色を抑えた映像で、その後の映画の大半はコントラストの強い色を使った。芸術的に優れたスタッフによって打ち出されたスタイルに私独自の撮影法を加えると、今までにないような映像が生まれるんだよ。」と語っている。また撮影監督のヴィルモス・ジグモンドは、「ブライアンは可能な限り途中でカットせず、シーンを長続きさせるんだ。このアプローチは私も気に入っている。今や映画尾概念も変化して、ショット数を増やし編集で繋ぐというMVのような映像が主流になっている。それは物語を伝えるという映画の場合、騒々しくて落ち着かないからね。」と答えている。

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作品としては、1947年にロサンゼルスで実際に起きた猟奇殺人事件「ブラック・ダリア事件」を題材とした、ジェイムズ・エルロイによる“暗黒のLA4部作”の第1作を映画化した作品。監督は「キャリー」「アンタッチャブル」「スカーフェイス」などのブライアン・デ・パルマ。物語の概要は、LAのダウンタウンで、身体を切断された女の惨殺死体が発見されるが、彼女はハリウッド・スターを夢見ながらも大都会の暗部に巻き込まれた被害者だった。やがて捜査線上に彼女が出演した一編のポルノ・フィルムが浮かび上がる、という内容のフィルム・ノワールだ。出演陣は「ブラックホーク・ダウン」のジョシュ・ハートネット、「マリッジ・ストーリー」のスカーレット・ヨハンソン、「ダークナイト」のアーロン・エッカート、「ミリオンダラー・ベイビー」のヒラリー・スワンクなど。正直、作品の出来としては盛り上がりの少ない地味な映画だし、脚本の展開も複雑すぎてわかりにくい。デ・パルマ作品としても、エンターテイメント作品としても及第点だろう。ただクレーンを多用した長回しのカメラワークや明暗のはっきりした撮影は素晴らしく、ノワールとして芸術点の高い作品だったと思う。


監督:ブライアン・デ・パルマ

出演:ジョシュ・ハートネットスカーレット・ヨハンソンアーロン・エッカートヒラリー・スワンク、ミア・カーシュナー

日本公開:2006年