映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイレビュー&感想Vol.293:「プラトーン」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は293本目。タイトルはオリバー・ストーン監督による、1987年公開作品「プラトーン」。特典映像としては、「未公開シーン集」「映画『プラトーン』を振り返って」「メイキング・ドキュメンタリー集」「TVスポット集」「オリジナル劇場予告編集」で、計95分が収録されている。「映画『プラトーン』を振り返って」では、オリバー・ストーン監督が「『プラトーン』はインディーズ作品だから、資金面では苦労したよ。だがインディーズ作品で最高の収益を上げられた。撮影開始の時は、前作の『サルバドル』が公開された直後だったけど、酷評されていて気分が真っ暗だったね。大量の雨や夜間撮影など難しい撮影だったから、絶えず計画を練り撮影隊を動かしていた。当時は休みなんか無かったよ。」と言い、「脚本を書いたのは1976年の夏のことだ。当時は『ランボー』風の映画が大人気だった。でもこの作品は真逆で、出演者も監督の無名の目立たない映画だったんだ。でも公開された後は”ベトナム戦争のリアルを描いている”と大きな反響を呼んだ。30代最後で2度目のオスカーも獲得できたしね。何年も経つのに、”今でも『プラトーン』が一番好きだ”と路上で声をかけられるよ。感謝している。」と語っている。


また主演のチャーリー・シーンは、「監督のオリバー・ストーンは、自分のビジョンに固執する。彼に付き合っていくのは大変だ。半端な努力では満足しないんだ。ベストを尽くせとしつこく言われたよ。でも、公開の翌日には人生が一変していた。注目されそうにない映画だったが、監督を信じていたね。当時はトム・ベレンジャーだけが成功を確信していて、”20年後も人々の話題に上る映画になるぞ”と言っていた。あれは運命を委ねるような映画ではなく、登場人物の行動でストーリーが推進する映画なんだ。主人公クリスは自分の理想に確信を持っていた。ベトナム戦争で国に尽くしたい、善行をしたいと思っていたんだ。でもすぐに不可能だと分かるんだよ。毎年膨大な数の映画が作られているけど、これほど影響力の強い作品にはそう出られない。誇りに思うし感謝もしているよ。」と答えている。

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作品としては、「7月4日に生まれて」「JFK」などのオリバー・ストーン監督が、自身のベトナム戦争の従軍体験をリアルに描いた戦争ドラマ。第59回アカデミー賞では「作品賞」「監督賞」「編集賞」「音響賞」の4部門を受賞した他、第44回ゴールデングローブ賞でも「最優秀作品賞」「最優秀監督賞」を受賞し、今でもベトナム戦争を描いた傑作として名高い。出演は「山猫は眠らない」のトム・ベレンジャー、「永遠の門 ゴッホの見た未来」のウィレム・デフォー、「メジャーリーグ」や「ホット・ショット」のチャーリー・シーン、「ローグ・ワン」のフォレスト・ウィテカーなど。さらに若き日のジョニー・デップも出演している。若い志願兵クリスの目線を通してベトナム戦争のリアルな実態を描かれており、理想主義的な若者が戦争を通して現実を突きつけられるというプロットの作品だ。冒頭の無垢なクリスは戦争を始めた当初のアメリカを象徴しており、中盤に起こる60年代の良心の象徴であるウィレム・デフォー演じるエリアスの死によって、その理想が崩壊していく。この作品の中ではベトナム兵との戦いよりも、アメリカ兵同士が殺し合う姿の方が印象的だ。その後の戦争映画に多大な影響を与えた傑作だろう。

 


監督:オリバー・ストーン

出演:トム・ベレンジャーウィレム・デフォーチャーリー・シーンフォレスト・ウィテカージョニー・デップ

日本公開:1987年