映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイレビュー&感想Vol.295:「悪女/AKUJO」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は295本目。タイトルはチョン・ビョンギル監督による、2018年公開作品「悪女/AKUJO」。特典映像としては「カンヌ記者会見」「ヒット祈願」「削除シーン」「色の異なる空間」「新たなアクション映画の幕開け」「スクヒとその他の登場人物」「チョン・ビョンギル監督インタビュー」「予告編集」で、計55分が収録されている。「新たなアクション映画の幕開け」では、監督のチョン・ビョンギルが「韓国には女性のアクション映画がほとんどない。だから私がこの映画を作ると言った時、”万人受けしない”と周りから反対されたよ。ただ私は”今しかない”と思っていた。まずカットを細切れにしてワンシーンを作り、ゲームでしか味わえない視点を映画に取り入れたんだ。それをアクションシーンで表現すれば面白くなると思った。ステージをクリアして次のボスが出てくる感じだよ。」と言い、「女性が持つ長所をアクションに生かそうか最初は悩んだけど、やはり違うと思ったんだ。女性と男性が正面から戦った時に女性が勝つ映画を作りたかった。まるで男同士の闘いのような印象を与えて、女性の持つ強さが男性に打ち勝つようにしたんだよ。主演のオクビンさんはアクションがあまりに上手なので、場面を増やしレベルを上げた。他の女優では作れなかったよ。」と語っている。

 

また撮影監督のパク・ジョンフンは、「撮影前にさまざまな器具を作ったよ。限られた予算の中で撮影機材に巨額のお金を費やすのは難しいからね。オートバイのヘルメットにカメラを搭載して撮影したんだけど、アクションスタントがかぶってみると重くて大変だった。それを被ってほとんど前も見えない状態で撮影したんだ。バイクのシーンは新しいアクションの魅力を感じるシーンだと思う。危険なシーンを長回しで撮るのは難しいけど、カットせずに撮ろうと頑張ったよ。まるでCGのようだけど、ほとんど実写なんだ。シーンによってはカメラを持って一緒に高所から飛んだり、ぶら下がりながら撮影したよ。」と答えている。

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作品としては、2013年「殺人の告白」で長編デビューしたチョン・ビョンギル監督が、「渇き」のキム・オクビンを主演に迎えて制作したアクション映画。ちなみにチョン・ビョンギルは、2022年8月にNetflixオリジナル作品として「カーター」という超絶アクション作品を発表しており、韓国アクションのレベルを底上げしていると思う。キム・オクビンがノーCG/ノースタントマンで挑んだ”超絶スタイリッシュ・アクション”ということで、確かに目を見張るアクションシーンの連続には驚かされる。その分、ストーリー展開がやや分かりにくいという難点はあるが、主演女優がこれほど激しいアクションシーンを演じている作品はなかなかないだろう。個人的には、シャーリーズ・セロン主演の「アトミック・ブロンド」を思い出した。ブルーレイに収録されているメイキング映像を観ることで、韓国アクション映画の過酷な現場とキム・オクビンの身体を張ったアクションの裏側が知れて興味深かった。

 

 

監督:チョン・ビョンギル
出演:キム・オクビン、シン・ハギュン、ソンジュン、キム・ソヒョン
日本公開:2018年