映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイレビュー&感想Vol.304:「ハロウィン」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は304本目。タイトルはジョン・カーペンター監督による、1979年公開作品「ハロウィン」。特典映像としては、「メイキング・ドキュメンタリー」「HALLOWEEN UNMASKED」「オリジナル予告」「TV Spot」で、118分が収録されている。「HALLOWEEN UNMASKED」では、ジョン・カーペンター監督が「皆、自分や愛する者の死、親を亡くすことなど恐れるものは同じだ。だから恐怖がテーマの映画は万国共通になり得る。撮影監督と『チャイナタウン』を観た時に撮影が独特だと思ったんだ。美しい風景だがどこか気味の悪さもある。その感じを出したくて、彼と話し合いブルーのバックライトを多用したら、とても効果的だったよ。最初はルーミス医師役をクリストファー・リーに依頼したんだけど、断られたんだ。でもドナルド・プレザンスがOKしてくれた。ただ昼食の席で彼は、”脚本も気に入らんし、自分の役も知らん。受けたのは娘が君の作品を好きだからだ。なぜ私に出演依頼した?”と聞かれて、ビビったよ。ホラー映画を作るのはとても楽しいね。ドラマやコメディではこうは行かないよ。」と言っている。

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また、「”マイケル”のイメージは不条理な災厄なんだ。マイケル・マイヤーズには人間性を与えなかった。背景はあるが、彼の存在自体は伝説や自然現象のイメージで捉えた。人格化しない方が怖いと思ったんだ。あのマスクを付けることで、人間性を感じさせなくした。彼は悪の力の具現化であり、不条理な存在だから防ぐ手立てはないんだよ。役者への演技の演出は簡潔にした。基本的に何かを見つめる時は立ち止まり、静かに優雅に歩けとね。できるだけ白紙のイメージのままにした方が、恐怖が増すんだ。」と語っている。主演のジェイミー・リー・カーティスは、「初日の撮影ははっきり覚えているわ。ひどい演技の出来でクビにされると思った。家に帰るとジョンから電話がかかってきて、もう終わりだと思ったわ。でもジョンに褒められたの。嬉しかったし自信がついた。すごく一生懸命だったから、思い入れのある作品よ。撮影のペースが異常に速くて、当時のスタッフのほとんどが18歳から22歳くらいだった。友人や家族も含めて、皆で作り上げた作品だから特別な思いがあるの。私には大きなキャリアになったしね。」と答えている。


作品としては、「ニューヨーク1997」「遊星からの物体X」「ゼイリブ」など名作を手掛けてきた、ジョン・カーペンター監督の傑作ホラー映画。現在までに関連作品が12作品も公開されている。2019年には1作目の直接的な続編として、デヴィッド・ゴードン・グリーン監督版「ハロウィン」シリーズが再開しており、現在は完結編の「Halloween Ends」公開(2023年4月日本公開)が待たれているシリーズだ。”最も稼いだインディペンデント映画”としても有名で、ジョン・カーペンターを一躍、世界的な映画監督にした作品だろう。出演は「トゥルーライズ」「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」のジェイミー・リー・カーティス、「大脱走」「ミクロの決死圏」「007は二度死ぬ」のドナルド・プレザンスなど。謎のマスク男”シェイプ”にひたすら狙われるというシンプルな題材だからこそ、様々なホラー映画の原点であり、マイケル・マイヤーズは今でもホラー映画界のポップアイコンなのだろう。ちなみにカーペンター自身が手掛けたテーマ曲も、非常に有名である。間違いなく「悪魔のいけにえ」などと並ぶマスターピースのため、ホラーファンなら必見の作品だと思う。

 

 


監督:ジョン・カーペンター

出演:ジェイミー・リー・カーティスドナルド・プレザンス、ナンシー・キーズ、チャールズ・サイファーズ、トニー・モラン

日本公開:1979年