映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイレビュー&感想Vol.306:「沈黙 ーサイレンスー」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は306本目。タイトルはマーティン・スコセッシ監督による、2017年公開作品「沈黙 ーサイレンスー」。特典映像としては「『沈黙-サイレンス-』完成までの旅」「予告編集」「TVスポット集」で、計31分が収録されている。「『沈黙-サイレンス-』完成までの旅」では、マーティン・スコセッシ監督が「1988年に原作を手にしたんだ。それで1990年ごろに脚本を書こうとしたんだが、その時は作品への理解が足りず一旦中断した。史実に基づく物語であり、私の人生のテーマでもあるからね。撮影ではどの俳優も全力を尽くしてくれた。特にアンドリューとアダムの役は過酷だったよ。痩せる為に食事を減らす必要があったからね。栄養士が管理していたが相当にキツかったはずだ。」と言い、「本作は私が注目していた日本人俳優が、多く出演している。浅野忠信黒沢清や三池祟史の監督作で観た事があったし、塚本晋也は映画監督として知っていた。彼は素晴らしい監督だ。窪塚洋介はオーディションで見てピンときたんだ。”キチジロー”は難しい役だが、彼に任せることに決めた。イッセー尾形はずっと前から好きでね。エドワード・ヤンの『ヤンヤン 夏の想い出』や、アレクサンドル・ソクーロフの『太陽』に出演していたのを観たんだが、全身全霊を注いでいて心を動かされたよ。本作では全編に亘って画面の構図を考えるのが楽しかった。余分なものを取り除き、本質に迫っていったんだ。今まで複雑な作品を撮ってきたから、今回はそれを覆す形になったよ。」と語っている。

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主演のアンドリュー・ガーフィールドは「脚本は小説の世界を見事に表現している。答えのない問いと向き合う感じだ。共演したアダム・ドライバーは本能的でユニークな俳優だったね。奇想天外だけど自然体で好きだよ。役の上でもお互いに愛情が必要だったしね。この作品では映画を作る以上のことを味わえた。貴重な体験だったよ。」と言い、アダム・ドライバーは「憧れていた監督の作品に出られて光栄だ。世界に名だたる巨匠のひとりだからね。恐れ多くて最初は緊張したよ。でも気さくな人で作品に集中できた。多くの試練があったが、全ては物語に結びついている。日本人俳優の集中力は見事だ。神聖さを感じたよ。この作品に参加できたことは、僕にとって最高の名誉だ。」と語っている。

 

作品としては、遠藤周作の原作「沈黙」を、「タクシードライバー」「レイジング・ブル」「グッドフェローズ」などを手掛けてきた巨匠マーティン・スコセッシが映画化したヒューマンドラマで、スコセッシが原作を読んでから約28年後に映画化できた念願の企画だ。出演は「ハクソーリッジ」のアンドリュー・ガーフィールド、「シンドラーのリスト」のリーアム・ニーソン、「パターソン」のアダム・ドライバーなど。また日本人キャストも多く出演しており、重要なキャラクターである”キチジロー”を演じた窪塚洋介をはじめ、浅野忠信イッセー尾形塚本晋也小松菜奈加瀬亮笈田ヨシといった新旧の豪華キャストが勢揃いしている。日本で厳しい弾圧を受けながら、自らの信仰心と向き合っていく宣教師の物語は映画としてドラマチックで、観る者の心を揺さぶってくる。マーティン・スコセッシ渾身の力作だ。

 

 


監督:マーティン・スコセッシ

出演:アンドリュー・ガーフィールドアダム・ドライバー浅野忠信窪塚洋介塚本晋也リーアム・ニーソン

日本公開:2017年