映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は329本目。タイトルはリュ・スンワン監督による、2022年日本公開作品「モガディシュ 脱出までの14日間」。特典映像としては、「メイキング」「スタッフコメンタリー映像」「カーチェイスの裏側」「監督・キャストのグリーティング」「未公開シーン」「キャラクター予告」「オリジナル予告集/日本版予告」で、計20分が収録されている。「メイキング」では、主演のキム・ユンソクが「スペクタクルに富み、キャラクターとドラマがしっかりした作品だ。この映画がすごいところはキャラクター、メッセージ、ドラマ、ビジュアルのすべてが揃っていることだね。また、どのシーンもビジュアルが素晴らしい。制作と美術チームに拍手を送りたいよ。また、これほど個性豊かな共演者たちは初めてで、すべての俳優からエネルギーをもらった。”これは韓国映画だろうか?”と思う程、あらゆる点においてオススメできる作品になったね。」と言い、チョ・インソンは「撮影を行ったモロッコのエッサウィラでは、スタッフ達がソマリア軍の訓練や攻撃の様子を誠実に再現してくれたよ。現地ロケーションマネージャーのノウハウが、十分に活かされた現場だった。世界に類を見ない最高のスタッフたちがいなかったら、この映画はスタートすらできなかったと思う。モロッコでの3~4か月に亘る撮影で、数々の名シーンが生まれたんだ。」と語っている。またホ・ジュノは「80~90年代にアフリカで勤務していた外交官の方々に実際にお会いして、彼らが語ったことを再現しようとした。孤立した人々の恐怖や不安や緊張感、それらの強烈な瞬間がリアルに感じられる作品なんだ。そして、観客の皆さんもそれを体感してもらえるように最大限の努力をしたよ。」と答えている。
作品としては、「ベテラン」「ベルリンファイル」のリュ・スンワンが監督/脚本を手掛けた、ポリティカル・アクションスリラー。実話をベースにしており、ソマリア内戦下における、対立する韓国と北朝鮮の大使館員たちが協力して行った決死の脱出劇を描いている。韓国では2021年度No.1大ヒットを記録し、第42回青龍映画賞では、「作品賞」「監督賞」「助演男優賞」など5部門を受賞した作品だ。リアリティを重視したスタッフは”渡航禁止国家”に指定されているソマリアの代わりに、西アフリカの3か月にも及ぶモロッコでオールロケでの撮影を行ったらしく、壮大なスケールの作品に仕上がっている。ストーリーは、国連への加盟を目指してアフリカ諸国で対立しながらロビー活動を展開する韓国の大使ハンと北朝鮮のリム大使が、ソマリアで内戦が勃発した為に、それぞれの職員と家族の命を守るために団結するという展開が熱く、クライマックスのカーチェイスからエンドクレジットまで飽きさせない。2022年の韓国映画を代表する傑作だと思う。
監督:リュ・スンワン
出演:キム・ユンソク、チョ・インソン、ホ・ジュノ、ク・ギョファン、キム・ソジン
日本公開:2022年