映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は335本目。タイトルはジョセフ・L・マンキーウィッツ監督による、1951年日本公開作品「イヴの総て」。特典映像としては、「『イヴの総て』の舞台裏」「ベティ・デイビスのインタビュー」「アン・バクスターのインタビュー」「ムービートーン・ニュース」「オリジナル劇場予告編」で、計40分が収録されている。「『イヴの総て』の舞台裏」では、主演女優のベティ・デイヴィスが「あの作品は私のターニングポイントだった。監督が私を生き返らせたのよ。」と言い、ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督は「"大女優のベティ・デイビスは手に負えない、お前は木っ端みじんにされるのがオチだ"と周りから脅されたよ。勝手にセリフを変えたり、演出まで口を出し引っ掻き回されるぞとね。だが今回は違ったんだ。脚本を尊重してくれたし、これほど組みやすい女優は初めてだった。最高の”マーゴ役”を手に入れたよ。もはやベティ本人とマーゴ役の見分けがつかない位だった。」と語っている。またジョセフ・L・マンキーウィッツ監督の息子である、トム・マンキーウィッツは「父が脚本を書き、自分で監督した作品はどれも女性を主人公にしている。女性たちがとても魅力的なんだ。父が特に惹かれたのは、女優を取り巻く世界だった。女の世界は残酷だと言っていたよ。女優は40代に入ると主演や恋愛映画からは弾き出されてしまう。新人がスターの座を狙って次々に現れるからね。ベティ・デイビスとゲイリー・メリルは役柄と同じく、実際でも交際しはじめたが、父はまったく気にしていなかった。父の芸能界に対する嫌悪や恥辱が、批評家ドウッィトの役柄には託されている。彼は父の代弁者なんだよ。」と答えている。
作品としては、「クレオパトラ」でも有名なジョセフ・L・マンキーウィッツが監督した、ヒューマンサスペンス。1951年の第23回アカデミー賞では、「作品賞」「監督賞」「助演男優賞」「脚色賞」「衣装デザイン賞」「音響録音賞」の6部門を受賞し、「カンヌ国際映画祭」「ゴールデングローブ賞」でも高い評価を得ている。女優に憧れる若い女性がベテラン女優を踏み台にのし上がっていく姿を描きながら、ブロードウェイの内幕を描き出した作品で、いまだにハリウッド史上屈指の脚本と言われている作品だ。出演は「何がジェーンに起ったか?」「ナイル殺人事件」のベティ・デイビス、「私は告白する」「十戒」のアン・バクスター、「紳士協定」のセレステ・ホルムなど。また無名時代のマリリン・モンローが出演しているのも、興味深い。今から70年前以上の作品だが、映画としての強度はまったく落ちていないどころか、今観ても強烈に面白い。特にやはりベティ・デイビス&アン・バクスターの2大女優が素晴らしく、「ブラック・スワン」など以後の映画史にも大きな影響を与えた作品だと思う。
監督:ジョセフ・L・マンキーウィッツ
出演:ベティ・デイビス、アン・バクスター、セレステ・ホルム、ゲイリー・メリル、マリリン・モンロー
日本公開:1951年