映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.363:「ベルリン・天使の詩 コレクターズ・エディション」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は363本目。タイトルはヴィム・ヴェンダース監督による、1988年日本公開作品「ベルリン・天使の詩」。特典映像として「未公開映像」「オリジナル劇場予告編(2種類)」で、計35分が収録されている。都会のアリス」「パリ、テキサス」「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のヴィム・ヴェンダース監督が、自国のドイツでメガホンを取ったラブファンタジー1987年カンヌ国際映画祭では「監督賞」、1988年ブルーリボン賞「外国作品賞」を受賞している。1998年には「キャスパー」のブラッド・シルバーリング監督、ニコラス・ケイジメグ・ライアンによる、「シティ・オブ・エンジェル」というハリウッドリメイク作品も公開された。出演は「ヒトラー 〜最期の12日間〜」「コッポラの胡蝶の夢」「ハウス・ジャック・ビルト」などのブルーノ・ガンツ、「夢の涯てまでも」のソルヴェーグ・ドマルタン、「ブリキの太鼓」のオットー・ザンダー、「こわれゆく女」「カリフォルニア・ドールズ」のピーター・フォークなど。特にピーター・フォークは本人役で登場しており、すれ違う街の人に「刑事コロンボだ」と言われるシーンまである。

f:id:teraniht:20230329122937j:imagef:id:teraniht:20230329122942j:image

作品としては、ミニシアターブームが起こった1980年代後半の東京で、30週を超える驚異のロングランヒットとなったことで、日本ではヴィム・ヴェンダースが再評価されたきっかけとなった映画であり、世界的にもカンヌ映画祭を中心に高い評価を得た一作だ。人間たちの心の声を聞き、彼らの苦悩に寄り添っていた天使ダミエルは、サーカスの空中ブランコで舞う女性マリオンに出会ったことで彼女に強くひかれ、天界から人間界に降りることを決意する、というストーリーで、ダミエルが天使の状態はモノクロ、人間になってからは画面がカラーになるという表現が取り入れられている。ヴィム・ヴェンダースが本作でリスペクトを捧げた3人の巨匠、小津安二郎フランソワ・トリュフォーアンドレイ・タルコフスキーの作品からは、大きなインスピレーションを得たらしく、本作で表現されている映像美は彼らの作品に通じるものを感じる。ベルリン・天使の詩」はドイツの映画監督ヴィム・ヴェンダースだからこそ制作できた、英術性と娯楽性が融合した彼の代表作だろう。

 

 

監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ブルーノ・ガンツソルヴェイグ・ドマルタン、オットー・ザンダー、ピーター・フォーク
日本公開:1988年