映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は380本目。タイトルはロバート・ハーモン監督による、1986年日本公開作品「ヒッチャー」。特典映像としては、「”The Hitcher ? How do these Movies get made?" 回顧ドキュメンタリー」「シーン別コメンタリー」「フォトギャラリー(動画形式)」「予告編集」で、計108分が収録されている。「回顧ドキュメンタリー」では、ロバート・ハーモン監督が「私の初監督作だからレンタルビデオ店に並ぶのが楽しみだったね。私はこの映画を”ホラー映画”だとは思っていないんだ。サスペンスとスリラーとホラーの中間というべきかな。ジョン・ライダー役のキャスティングは一時期、テレンス・スタンプの起用を考えていたんだが断られてしまったんだ。脚本上は”痩せた男”となっていて、”キース・リチャーズ”をイメージしていたらしいけど、結果的にルトガー・ハウアーが配役できて良かった。完成からずいぶんと経つが、今でも誇らしい作品だね。全てに満足しているよ。」と言い、脚本家のエリック・レッドは「ヒッチハイク殺人を題材にした”ザ・ドアーズ”の曲から着想を得たんだ。この曲を映画の冒頭で流したいと考えていたんだよ。主人公のハルジーと殺人鬼のライダーが、車内で話す冒頭のシーンが最初に書きあがり、そこから話を広げていったんだ。」と語っている。
俳優のルトガー・ハウアーは「私が演じたジョン・ライダーは、自分の異常さにも気付いている。しかし彼はそれを治す方法を知らないし、終わらせ方も分かっていないんだ。そして自殺する勇気もない臆病者でもある。そこで彼の心に”ある考え”がひらめいたのさ。殺してくれる人を探そうとね。とにかくこの役は独創的に演じたかった。私は演技のアイデアが尽きないタイプだから、それを採用するかどうかは監督に委ねたよ。『ブレードランナー』と同じく、この作品は私のキャリアにとって大きな意味を持っていて、観客から強い信頼が得られている作品だ。一度魅了されてしまった者は抗うことができなくなる映画なんだよ。」と答えている。
作品としては、「ボディ・ターゲット」のロバート・ハーモン監督が、「ブレードランナー」「ナイトホークス」のルトガー・ハウアー、「アウトサイダー」のC・トーマス・ハウエル、「ヘイトフル・エイト」のジェニファー・ジェイソン・リーらを迎えて撮影した、アクションスリラー。2021年にはHDニューマスター版がリバイバル公開されている。本作でルトガー・ハウアーは主人公ジムを執拗に追い続ける、謎の殺人ヒッチハイカー” ジョン・ライダー”を怪演しており、強烈な印象を残しているし、若き日のジェニファー・ジェイソン・リーも、結末も含めて忘れがたいキャラクターになっている。理屈ではすべてが理解できない映画であり、その”余白”を楽しむ傑作スリラーだ。
監督:ロバート・ハーモン
出演:C・トーマス・ハウエル、ルトガー・ハウアー、ジェニファー・ジェイソン・リー、ジェフリー・デマン、ビリー・グリーンブッシュ
日本公開:1986年