映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.382:「ビヨンド HDニューマスター<コレクターズ・エディション>」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は382本目。タイトルはルチオ・フルチ監督による、1981年イタリア公開作品「ビヨンド」(日本劇場未公開)。特典映像としては、「サラ・ケラー インタビュー」「カトリオーナ・マッコールQ&A セッション」「サラ・ケラー イントロ・コメント」「ダレン・ウォード監督インタビュー(デヴィッド・ウォーベックの思い出)」「テリー・リヴェイン(米国公開版配給&編集担当)インタビュー」「カトリオーナ・マッコールインタビュー」「ジャンネット・デ・ロッシ(特殊メイクアップ担当)インタビュー」「フルチ・フラッシュバック(ダリオ・アルジェントらによるフルチ監督ドキュメンタリー)」「フルカラー版オープニング」「カトリオーナ・マッコールのイントロ・コメント」「Voices From The Beyond ルチオ・フルチの思い出~関係者インタビュー」で、計220分が収録されている。「サラ・ケラー インタビュー」では、「ビヨンドは美しい作品だと思うわ。正直、脚本についてはよく覚えていないけどね。ハッキリしているのは新しい挑戦だったということ。それまでコメディーばかり出演してきたから、自分を表現する方法がまったく違ったわ。ルチオ・フルチ監督を信頼してエミリー役を引き受けたけど、いい作品になると思ったし、実際その予感は正しかったわね。」と言い、「ホラー映画の撮影は大変なの。同じ姿勢のまま何時間もメイクするし、自分は血まみれで動けないけど周りのスタッフがバタバタしているの。例のコンタクトレンズを常につけていたけど、本当に何も見えなかったのよ。コンタクトには小さな穴があったけど、目を動かすとずれちゃうから、結局何も見えなかった。犬に襲われるシーンは特殊効果を使っていて、ローマのスタジオで撮影したのよ。」と語っている。また「ルチオはとても厳しい監督だったけど、役者から何を引き出したいのか分かっていた。だから安心して撮影に臨めたし、役者たちもそれに応えられたと思う。人間性の面でいうと、彼は心が豊かで寛大な人だったわね。でも子供が癇癪を起すようによく怒ってもいた。この映画は難しく考えるような作品ではないと思うわ。イギリスでは上映禁止になったのは、一部で強い反発があったのかもしれない。『ビヨンド』は映画的な観点で良い作品だと思うし、一人の女優としてエミリー役が出来てとても光栄に思うわ。私は本当はホラーが好きじゃないけど、大好きな役だったしね。」と答えている。

f:id:teraniht:20230613231810j:imagef:id:teraniht:20230613231812j:image

作品としては、「サンゲリア」「地獄の門」「野獣死すべし」などで有名な、イタリアンホラーの巨匠ルチオ・フルチが手掛けたホラー。日本では劇場未公開作品であり、ビデオスルーとなっている。ルチオ・フルチが「サンゲリア」「地獄の門」に続いて発表した、ゾンビもの第3弾でもある。80年代イタリアンホラーらしく今観るとかなりチープな特殊効果だが、血まみれのスプラッター描写が満載で、ジャンル映画として楽しめる。クトゥルフ神話に関連したストーリーはほとんど意味不明だが、これもフルチらしさだと思えば微笑ましい。サム・ライミクエンティン・タランティーノが影響を受けた、イタリアンホラーの巨匠ルチオ・フルチの代表作の一本だろう。

 

 

監督:ルチオ・フルチ
出演:カトリオーナ・マッコール、デヴィッド・ウォーベック、サラ・ケラー、アントニー・セント・ジョン、ヴェロニカ・ラザール
公開:1981年(日本劇場未公開)