映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.384:「戦火の馬」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は384本目。タイトルはスティーブン・スピルバーグ監督による、2012年日本公開作品「戦火の馬」。特典映像としては、「スタッフとキャストが語る奇跡の物語」「欠かせない存在:エキストラ」「メイキング・オブ・『戦火の馬』」「監督を支える編集と音楽」「リアルな音の追求」「写真で見る製作者の想い」で、計100分が収録されている。「メイキング~」では、スティーブン・スピルバーグ監督が「製作のキャスリーン・ケネディが英国で、『戦火の馬』の舞台を観ていたく感動していたんだ。私も妻と一緒にロンドンで舞台を観る機会があったんだが、その時この映画を作ろうと心に決めたよ。イギリス・デヴォンのロケ地の空は物語と同じくドラマチックだった。様々な表情を見せる空によって、急遽撮影シーンを変更することもあったくらいだ。そんな具体に自然を生かして撮影したんだよ。」と言い、さらに「主人公のアルバート役は新人を探して4か月もかかった。それで最後は、ジェレミー・アーヴァインしかないと決めたんだ。本作は単なる愛馬物語ではなく、多くの人たちのヒューマン・ドラマなんだよ。撮影中、馬には傷一つ付けるなと最初から言い続けた。足を引きずるシーンなどはひずめに重しを付けたりして、馬の安全を確保したよ。この映画は勇気を教えてくれる物語だ。主人公が苦難を乗り越えていく姿、そして並外れた不屈の精神も描いている。彼らの勇気がどの場面からも伝わってくるだろう。」と語っている。

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またプロデューサーのキャスリーン・ケネディは「ほぼすべてがロケ撮影で、毎日外で撮影したの。今では珍しい昔ながらの映画の撮り方よ。仰々しい効果を使うつもりはなく、原作の舞台であるデヴォンでシンプルに描きたかったの。本作は簡単には作れない映画だと思う。歴史的背景がある物語だから特にね。物語を創作するのではなく、忠実に描くことが大切だった。スティーブンはこの物語の壮大さを見事に描いたわ。」と語っている。また主演のジェレミー・アーヴァインは、「8歳か9歳の時に、母と原作を読んで物語は知っていたんだ。オーディションの前夜に舞台を観たけど、とても美しかった。演劇学校を卒業して1年程度だったから、僕に現場経験は全くなかったんだ。愛馬のジョーイが売られるシーンは、僕の実際の兄弟を思って演技した。アルバートにとってジョーイとの別れは兄弟と引き裂かれるのと同じだからね。」と答えている。

 

作品としてはマイケル・モーパーゴの小説「戦火の馬」を、名匠スティーブン・スピルバーグが映画化したヒューマンドラマ。撮影はヤヌス・カミンスキー、作曲はジョン・ウィリアムズが担当しており、スピルバーグ作品としては鉄壁の布陣での映画化だと言えるだろう。第84回アカデミー賞では、「作品賞」「撮影賞」「作曲賞」「美術賞」「音響編集賞」「音響録音賞」の6部門でノミネートされている。出演は本作の後、「マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー」「博士と狂人」などでキャリアを積んでいる、イギリスの若手俳優ジェレミーアーバインのほかエミリー・ワトソンデビッド・シューリス、ピーター・ミュラン、トム・ヒドルストンなど。監督作品の中ではやや地味な映画だが、人間と馬との交流を描いたスピルバーグらしい骨太なヒューマンドラマだと思う。

 

 

監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:エミリー・ワトソンデヴィッド・シューリス、ピーター・ミュラン、トム・ヒドルストンジェレミー・アーヴァイン
日本公開:2012年