映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.387:「あの頃ペニー・レインと」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は387本目。タイトルはキャメロン・クロウ監督による、2001年日本公開作品「あの頃ペニー・レインと」。特典映像としては、「リハーサル風景と撮影の舞台裏」「レスター・バングス本人へのインタビュー」で、計11分が収録されている。「レスター・バングス本人へのインタビュー」では、劇中でフィリップ・シーモア・ホフマンが演じていたレスター・バングス本人が、「見せ物のロックは外側だけ新しくて、曲は古い。イングランド出身の60年代ロックバンドの”ジェスロ・タル”は、メンバーの1人にウサギの扮装をさせたんだが、喜ぶ観客の中で俺は独り浮いていた。彼らのウサギやバカ騒ぎが何を意味していようとも、俺にはまったく通じなかったよ。また”ロキシー・ミュージック”のリーダーである、ブライアン・フェリーは今まで登場した中で、最も中身のないスーパースターだね。アルバム『ストランディッド』で彼らの大ファンになった俺は、彼を誉めちぎった。だが、白いタキシードに身を包んだ彼は煙草を手に無言のままだったんだ。あんな男は隅に追いやって忘れるべきだったね。」と語り、「”エマーソン・レイク&パーマー”は不毛のバンドだ。魂もなければ曲にはなんの感情もない。あらかじめ決まったソロを、可能な限りの猛スピードで5時間演奏するだけを目的にしている。誰もが望むルネサンスを待つ気分だよ。大スターは10年ごとに現れるのが定説だが、60年代はビートルズが現れた。だが、この70年代は誰も現れていないよ。」と、毒舌の限りで当時の音楽シーンを批判しているという、謎の映像が観られる。

f:id:teraniht:20230704210642j:imagef:id:teraniht:20230704210643j:image

作品としては、「ザ・エージェント」「バニラ・スカイ」「エリザベスタウン」のキャメロン・クロウ監督が手掛けた、青春音楽ドラマ。なんとキャメロン・クロウ自身が、実際に15歳で「ローリング・ストーン」誌の記者だったという経験から、パトリック・フュジットが演じているウィリアム・ミラーという役柄は、ほぼ監督の投影という半自伝的な内容になっている。第73回アカデミー賞では、「助演女優賞」「編集賞」など4部門にノミネートされ、「脚本賞」を受賞している。本作で登場する架空のバンド「スティルウォーター」は、オールマン・ブラザーズ・バンドがモデルと言われているし、フィリップ・シーモア・ホフマンが演じるレスター・バングスは実在したロック評論家ということもあり、劇中では70年代ロックバンドの生活がかなり生々しく描かれている。本作はゼロ年代屈指の名作と呼ばれているが、キャメロン・クロウ監督作の中でも非常に高い完成度の作品だと思う。

 

 

監督:キャメロン・クロウ
出演:パトリック・フュジットケイト・ハドソンビリー・クラダップフランシス・マクドーマンドフィリップ・シーモア・ホフマン
日本公開:2001年