映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.389:「ザ・プラマー/恐怖の訪問者 HDニューマスター版」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は389本目。タイトルはピーター・ウィアー監督による、1980年製作日本未公開作品「ザ・プラマー/恐怖の訪問者」。特典映像としては、「オリジナル予告編」のみ。「ピクニックatハンギング・ロック」「刑事ジョン・ブック 目撃者」「トゥルーマン・ショー」などで有名な、オーストラリア出身の映画監督ピーター・ウィアーが手掛けたサスペンススリラー。本作は日本未公開のテレビ映画である。大学教授の妻であるジルの家に、バスルームを修理するよう依頼を受けたという配管工マックスが現れ、ジルが家に入れると馴れ馴れしく語り掛けてくる。その日からマックスは毎日部屋を訪れるのだが、勝手にシャワーを使ったりバスルームを逆に破壊されたりと修理は一向にはかどらない。イライラを募らせるジルは夫に相談するが”仕事で忙しい”と相手にされず、徐々に彼女の精神は追い詰められていく、というストーリーだ。

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いわゆる”不条理サイコスリラー”であり、なぜこのマックスという男がこれほど奇行を繰り返しながらジルに拘泥するのか?が分からないので、逆に不気味な印象を残す。76分というタイトな上映時間もあって、思わず引き込まれる快作だ。出演者も完全に無名だし、かなりの低予算で制作されたであろう作品だろうが、名匠ピーター・ウィアーの初期作として見所は多い。シュールなラストショットも溜飲を下げる展開で印象的だ。民俗学の研究をしている夫婦と、彼らの部屋にいきなり踏み込んでくるマックスという存在は、アボリジニというオーストラリア先住民とその土地を蹂躙してきた移民の関係を表現しているなど、実は考察の余地のある作品でもある。

 

 

監督:ピーター・ウィアー
出演:ジュディ・モリス、アイヴァー・カンツ、ロバート・コールビー、キャンディ・レイモンド、アンリ・ゼプス
日本公開:1980年製作(日本未公開)