映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.396:「サスペリアPART2 日本公開35周年記念究極版」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は396本目。タイトルはダリオ・アルジェント監督による、1978年日本公開作品「サスペリアPART2」。特典映像としては「監督ダリオ・アルジェント/共同脚本家ベルナルディーノ・ザッポーニ/音楽ゴブリン インタビュー」「ダリオ・アルジェント インタビュー」「ルイジ・コッツィによるショップ“PROFONDO ROSSO"ガイド」「ダリア・ニコロディが語る『サスペリアPART2』」「クラウディオ・シモネッティ~殺人への調べ~」「米国版予告編」「イタリア版予告編」で、計80分が収録されている。「インタビュー」ではダリオ・アルジェント監督が、「本作は私の監督作の中で最もヒットしたし、多分世界中の多くの国で一番人気がある作品だと思う。日本から北欧まで、あちこちで公開されたからね。最も成功した作品だからこそ、私の監督業の重要な転機となったよ。脚本は私とベルナルディーノ・ザッポーニの共同作業で、彼の功績は大きい。『4匹の蠅』を撮った後、色々考えたんだ。次にスリラー映画を撮るなら、趣向を変えたかった。本作は観客の不安を煽る激しい描写を含んでいたし、対象に肉薄するこだわったカメラワークが斬新な作品だった。いわゆる古典的なスリラーとは違うんだ。本作は一見、暴力的で血生臭く見えるがそれは違う。一種の悪夢を描いているから、個々の事実が誇張されて描かれているんだよ。」と語っている。

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また脚本家ベルナルディーノ・ザッポーニは「私もホラー映画が大好きだったので、ダリオ・アルジェントから共同脚本の話が来ると喜んで引き受けたよ。映画の冒頭はダリオが考えたんだ。超心理学会の会場で女性テレパシストが、邪悪な魂の存在を感じ取るシーンだね。ここから物語が展開されていく訳だが、恐怖の要素については慎重に検討したよ。例えば人の射殺シーンを見せても、撃たれた経験を持つ観客は少ないから恐怖を感じにくい。だが沸騰したお湯に顔を浸ける映像なら、誰でも火傷の経験はあるから思わず身がすくむよね。この映画は常に緊張を強いられ、ハラハラさせられる。少女、からくり人形、子供の歌、ゴブリンの音楽とすべてが要素が絶妙に絡み合ってるんだ。」と言い、音楽を担当したゴブリンは「当時、ダリオが求める音を出していて、手が空いていたのがゴブリンだけだったから、チャンスをもらえたんだ。本作のサントラは恐怖を与える音楽として有名だと、今でも人から言われるよ。確かに出だしから不気味だからね。」と答えている。

 

作品としては、「サスペリア」「インフェルノ」「オペラ座/血の喝采」などを発表し、2023年にも「ダークグラス」という最新作を公開したダリオ・アルジェントのホラーサスペンス。「PART2」というタイトルだが「サスペリア」の続編ではなく、しかも「サスペリア」より前に製作されている。日本では公開が遅れた事と、興行マーケティング的な理由のために「PART2」が付いているだけで、原題は「Profondo Rosso」とまったく違うタイトルの作品だ。ダリオ・アルジェント作品の中でも、特に人気の高い作品で、監督ならではのビジュアルイメージが徹底されており、物語の整合性よりもケレンが重視されていて面白い。たまにブルーレイで見直したくなる傑作だ。

 

 

監督:ダリオ・アルジェント
出演:デヴィッド・ヘミングス、ダリア・ニコロディ、ガブリエレ・ラヴィア、マーシャ・メリル、クララ・カラマイ
日本公開:1978年