映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.397:「ヘンリー」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は397本目。タイトルはジョン・マクノートン監督による、1992年日本公開作品「ヘンリー」。特典映像としては「1998年ジョン・マクノートン監督インタビュー」「アウトテイク」「メイキング」「全英映像等級審査機構の検閲」「『ヘンリー』対 米国映画協会」「『ヘンリー』作品分析」「ジョン・マクノートン監督対談」「ジョー・コールマン インタビュー」「30周年記念予告編」「予告編」で、計205分が収録されている。「ジョン・マクノートン監督インタビュー」では、「ヘンリーたちが起こした連続殺人は当時、時代の病だと考えられていて脈絡なく殺人を重ねる彼らは、恐怖以外の何物でもなかった。現代社会における新たな脅威とされていたから、映画のテーマとして選んだんだ。私と脚本家はまったく新しい映画を目指し、いくつかのアイデアを試した。ホラー映画というものは、よくモンスターが登場するよね。この映画の主人公は実在の人物だが、ある意味では怪物なんだ。複数出したアイデアの中であったのが、主人公が”現代のモンスター”というものだった。私はホラージャンルの再定義を目指して、前代未聞のホラー映画を作りたかったんだよ。当時の私にとってトマス・ハリスの『レッド・ドラゴン』は、史上最高の心理スリラー小説だった。あの本からかなりのアイデアを盗んだよ。」と言い、「この作品は公開後に評価を受けることになったが、製作の準備段階では誰も注目していなかった。ある若い俳優にヘンリー役をオファーしたんだが、バカにしたような態度を取られて簡単に断られてしまったよ。するとスタッフから、マイケル・ルーカーという若い役者を紹介されたんだ。”この役にピッタリだ”と言われ会うことにしたんだが、その姿を見て度肝を抜かれた。そして神に祈ったんだ、”彼が演技もできますように”とね。それくらい外見が役にピッタリだった。」と語っている。

f:id:teraniht:20230805212118j:imagef:id:teraniht:20230805212119j:image

また「この映画は、”モラル的な視点を欠いている”とよく言われる。ヘンリーの殺人の動機も分からず、最後は逃亡に成功して警察に捕まることもないからね。単純な解決は得られないんだ。つまり私はモラルの判断を観客に委ねたんだよ。もちろん私自身の考えはあるが、あえて観客に問いかけた。初めての試写の時に”こんな結末はダメだ。逮捕のシーンがあるべきだ。”と言われたが、私たちはそういう典型的な映画作りをやめて、ホラーの可能性を広げたかったんだよ。『ヘンリー』を5回繰り返して観ると、たくさんの笑える要素にも気付くと思う。脚本には”愚かさの美”を意図的に混ぜているんだ。この作品は当初劇場公開の予定がなくて、ビデオ作品として発売するつもりだった。でも撮影したフィルムを観るうちに”これは劇場で公開できる”と気付いたんだ。俳優の演技も素晴らしかったしね。でもX指定を受けてしまって、商業的な成功は見込めなくなってしまった。どんなに努力しても上映できる映画館が少なくなってしまったからね。」と答えている。

 

作品としては300人以上もの女性を殺害したと言われ、アメリカ犯罪史上でも指折りの殺人鬼であるヘンリー・リー・ルーカスをテーマとして描いた作品。1986年のシカゴ国際映画祭で一度公開されたが、「13日の金曜日」のようなエンタメ・ホラー映画を望んでいた映画会社があまりの内容に唖然とし、さらにMPAA(アメリカ映画協会)によって“X指定”を受けてしまったことにより、数年間正式な劇場公開が見送られていたといういわくつきの映画だ。主人公のヘンリーは身の回りの人間を淡々と殺していくのだが、その徹底してクールなドキュメンタリータッチこそが、“史上最も恐ろしい映画”のひとつとして現在でも評価されている。監督/製作/脚本は、「ワイルドシングス」「恋に落ちたら…」などのジョン・マクノートン。ヘンリー役は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のヨンドゥ役で知られるマイケル・ルーカー。劇中のビデオカメラで被害者家族を撮影しているシーンが心底、胸糞で恐ろしい。直接的な暴力描写はそれほどないが、精神的な恐怖に満ちたホラー映画だ。

 

 

監督:ジョン・マクノートン
出演:マイケル・ルーカー、トム・トウルズ、トレイシー・アーノルド
日本公開:1992年