映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.398:「グラン・プリ」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は398本目。タイトルはジョン・フランケンハイマー監督による、1967年日本公開作品「グラン・プリ」。特典映像としては、「メイキング」「'60年代のF1」「映画の中のサウンド」「ブランズ・ハッチ~サーキットを徹底分析」「撮影の舞台裏~モナコグランプリを映画に」「”Speed”~ケーブルネットワークのプロモーション映像」「オリジナル劇場予告編」で、計87分が収録されている。「メイキング」では、ジョン・フランケンハイマー監督が「レース映画には誰もが非協力的だった。フェラーリ社も最初は協力を拒否していたしね。私が映画を作ることに文句は言わなかったが、社名は出すなと言われたよ。プロのドライバーたちも同じ考えだったんだが、それは過去にF1を描いたろくなハリウッド映画がなかったからだ。私は金を貯めてクラブレースを始めたくらい、車が大好きだった。でも才能がなくてドライバーになるのは無理だったんだ。」と言い、「この映画を撮るのには、1966年という時期も好都合だったと言える。1500ccだったマシンの排気量がその年から3000ccに改定されたんだ。カメラはフォードGT40に乗せたんだが、当時の耐久レース用の車で時速320キロまで出せた。カメラ位置やレンズを決めるのに何か月もかかったけど、私は観客にレースを体感させたかったんだよ。」と語っている。また「最初に30分の短編を作って、フェラーリ社に連絡して観て欲しいと頼んだんだ。”映写機がない”などと断られたが強引に押し切って、映画の撮影を中断して映写機と技師を連れてフェラーリのオフィスに向かったよ。観終わると、彼らはチームも工場も全面的に協力すると約束してくれたんだ。」と語っている。

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また主演のジェームズ・ガーナーは、「スタジオは最初から私を主演にしたがっていた。いろいろと意見の違いはあったが、結局監督とは上手くいったよ。実際のF1の車でトレーニングするとスタジオに言われたから、撮影の2か月間はプロドライバーと特訓したよ。最初はレースどころか運転もロクにできなかった。多くを教わったよ。1周ずつスピードを上げて自分の限界を試すんだ。最後にはプロとほぼ並んで走れるようになった。フランケンハイマ―監督は他人に厳しかったけど、仕事では天才ぶりを発揮していたね。とても優秀な監督だったが、他人の気持ちには疎かったよ。」とインタビューに答えている。

 

作品としては、「フレンチ・コネクション2」「イヤー・オブ・ザ・ガン」「RONIN」などのジョン・フランケンハイマーが監督した、カーアクション。モータースポーツの王者であるF1グランプリを舞台に、4人のドライバーの運命を描いた重厚な人間ドラマも描いている。65mmフィルムで撮影されシネラマの大画面で公開された、上映時間180分の大作映画だ。タイトルデザインは、ヒッチコック「めまい」のタイトルデザインでも有名なソール・バスが担当している。出演は「大脱走」「マーヴェリック」のジェームズ・ガーナー、「恐怖の報酬」「仁義」のイブ・モンタン、「波止場」「北北西に進路を取れ」のエバ・マリー・セイント、「七人の侍」「隠し砦の三悪人」の三船敏郎など。ほとんど役者自身が運転し撮影したという、驚異的なレースシーンの迫力と臨場感が魅力の作品で、以後のレース映画の礎となった作品だろう。

 

 

監督:ジョン・フランケンハイマー
出演:ジェームズ・ガーナーエバ・マリー・セイント、イブ・モンタン三船敏郎
日本公開:1967年