映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.399:「ランボー ラスト・ブラッド」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は399本目。タイトルはエイドリアン・グランバーグ監督による、2020年日本公開作品「ランボー ラスト・ブラッド」。特典映像としては、「メイキング:『ラスト・ブラッド』を描く」「『ラスト・ブラッド』を彩る音楽」「予告編集」で、計74分が収録されている。「メイキング:『ラスト・ブラッド』を描く」では、主演/脚本のシルベスター・スタローンが「今でもこれだけ人気のある作品に携わることができて、感謝や幸運という言葉では表しきれない。ずっと変わらないのは我々の感情で、傷ついたり感動したりするのは、そこに心があるからだ。つまり感情を揺さぶる物語があれば、観客の心は離れていかない。今のアクション映画に欠けているものさ。だから本シリーズを、単なる”アクション映画”とは言ってほしくない。2作目はともかく、特に4作目からは違う。本作は”ヒューマンドラマ”なんだ。フィナーレはシェイクスピア風で、古典文学のような趣がある。自分を有名作家たちと同じだと言うつもりはないが、良質な文学作品には主人公の旅路が描かれる。そしてそのフィナーレは劇的で、火山のように激しい古典的なものなんだ。」と言い、「僕は監督をやり脚本も書くが、俳優業はもっとも好きではない仕事だ。観客には見えない部分があって、昨日は現場にいた14時間のうち演技の実働は11分で、あとは機材を動かしていた。でも脚本家や監督としては、映画を形にするために常に仕事をしているよ。若い頃は俳優業を気に入っていたんだ。映画に出るのはいい気分だったからね。でもキャリアが終わりに近づき、意欲的な監督に自分の知識を伝えたくなった。過去の成功例と失敗例を教えることで、リアルなアクション映画を途絶えさせないようにしたい。今は勢いを失っているが、もっと盛り返すべきジャンルだよ。1970年代は全盛期だったが最近はテクノロジーが入り込み、登場人物の背景はないがしろにされている。彼らは派手な衣装を着て超人的なことをやるけど、家で家族と過ごす様子は描かれない。僕はその部分にこそ興味があるんだ。だからこのジャンルを守りたいが、やりたがらない人が多いのも分かる。大変な仕事だからね。」と語っている。

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また「映像の派手さを追求した時期もあったけど、『ロッキー・ザ・ファイナル』ではそれをやめて原点回帰を意識したんだ。でも一番苦労した映画だった。16年前の『ロッキー5』が不評だったから、不安しかなかったよ。本作のランボーはセリフが多い。孤独だった彼も今や少女を養子に迎え入れ、彼女の祖母と3人で暮らす家族がいるんだ。そんな彼の考え方や行動は分かりやすくなっている。そこが過去作との大きな違いだ。だが1作目のように感情的でもある。子供の誘拐という、戦争よりも身近なものを題材にしたんだ。本作の設定は前作から10年後だ。前作のラストで彼はジャングルから帰ってきて、世間に溶け込もうとしている。彼が道を歩くのがラストシーンだったよね。だがそんなランボーPTSDを克服できずにいる。そして世界を知り過ぎた彼は、自分の手が届かないところに娘を行かせたくないんだ。そしてランボーはもし何かひどい事が起きたら、かつての自分に逆戻りしてしまうことにも気付いているんだよ。」と答えている。

 

また監督のエイドリアン・グランバーグは「僕の世代は『ランボー』シリーズを観て育った。この世界に入るずっと前からシリーズのファンなんだ。その僕が『ランボー』でスタローンと仕事しているなんて、”やりたいことリスト”の1つが叶ったよ。彼との印象的な会話があるんだが、人生をいかに芸術と融合させるかという話だった。また本作のような出来事にどう対応するのか、ランボーだけではなく自分に置き換えて、あらゆる可能性を一緒に考えたね。そしてランボーというキャラクターの根本的な考え方について理解できたんだ。ランボーとスタローン自身の考え方は重っているんだよ。そして、トンネルには文字通りの意味と物理的な意味がある。迷宮のようなトンネルは地面の下に造られていて、”天国と地獄”を現わしていることが次第に明らかになるんだ。そしてこのトンネルはランボーの精神そのものなんだよ。」と言っている。


作品としては、メル・ギブソン主演の「キック・オーバー」を手がけたエイドリアン・グランバーグが監督を務めた、人気アクションシリーズの第5弾。主演/脚本のシルベスター・スタローンにとっては、「ロッキー」に並ぶ代表作で、前作「ランボー/最後の戦場」から12年ぶりの新作だ。ちなみに1作目は1982年に制作されているので、スタローンは38年もの間ランボーを演じていることになる。ベトナム戦争の悪夢にさいなまれPTSDを患っているランボーは、故郷のアメリアリゾナの牧場で、古い友人のマリアとその孫娘ガブリエラとともに平穏な日々を送っていたが、ガブリエラがメキシコの人身売買カルテルに拉致されたことで、彼の平穏な日常は終わるを告げるのだったというストーリーで、年老いたランボーの最期の闘いを描いていた作品だ。

 

 


監督:エイドリアン・グランバーグ

出演:シルベスター・スタローンパス・ベガ、セルヒオ・ペリス=メンチェータ、アドリアナ・バラーサ、イヴェット・モンレアル

日本公開:2020年