映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は406本目。タイトルはジェームズ・ワン監督による、2011年日本公開作品「インシディアス」。特典映像としては「ホラー初級編特別講座」「『インシディアス』撮影の舞台側」「”狡猾”な幽霊たち」「日本版劇場予告」「日本版TVスポット2種」で、計28分が収録されている。「ホラー初級編特別講座」では、脚本のリー・ワネルが「『インシディアス』を作ったきっかけは、幽体離脱を主題にしたホラーが少なかったからなんだ。幽体離脱の物語に相応しい舞台は、”幽霊屋敷”以外にないよ。さらに登場人物の設定も重要だった。異変が起きる前から、彼らに共感できなくてはならないからね。最近のホラーには不意をつくシーンが多すぎるから、この映画では観客を脅かすだけのシーンは禁じたんだ。観客に恐怖を植え付けるなら、実際に悪い奴が表れて人を脅かすシーンがないとね。”幽霊屋敷”と”憑依”のホラー映画には共通して、定番の”交霊会” のシーンがあるんだが、”どうすれば陳腐に見えないか?”と考えて、突然”霊媒師が戦争中のガスマスクを着けて、助手が彼女の言葉を通訳するのは?”と閃いた。お馴染みのシーンが新鮮になるからね。そして”彼方”の世界は、ダリオ・アルジェントのようにオペラ風にしたかったんだ。」と語っている。
また監督のジェームズ・ワンは、「この映画には”幽霊屋敷”作品に対する僕たちの愛が表れている。僕は幽霊屋敷ものが大好きなんだ。このジャンルの作品は、家そのものにこだわることが重要だ。家も登場人物の一部だからね。家も俳優と同じように”キャスティング”するべきなんだよ。観客に映画の冒頭だけを観て、”不気味で怖そう、見るからに幽霊屋敷だ”と思って欲しかった。映画の最初から最後まで、一定のリズムを刻みたかったんだ。映画自体が脈動しているようにね。その脈動を感じさせて観客をトランス状態に導くため、冒頭に古時計を登場させたんだよ。苦労して観客の緊張を高めるのなら、リアルな恐怖を感じさせたかった。ただ単なる古典的な幽霊屋敷だけの作品にならないように、この映画の第二部は”憑依”作品に変わるんだ。そしてどんどん過激な展開になる。そして、第三部は”幽体離脱”を描いていく。赤と黒の色彩は映画に心理的な効果をもたらすが、この映画では”赤”を悪の象徴として使いたかったんだよ。」と語っている。
作品としては、「ソウ」や「死霊館」シリーズのジェームズ・ワンが監督し、リー・ワネルが脚本を手がけた本格ホラー。現在、第4作目まで製作されており、本国アメリカでは5作目の公開が決定している。シナリオ的にもツイストが効いており、シリーズとしてストーリーが続いているホラー映画ということで、「死霊館」シリーズとは差別化されている。出演は『死霊館』シリーズでも主演を務めるパトリック・ウィルソン、「ANNIE/アニー」「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」のローズ・バーン、「ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷」のリン・シェイなど。ジェームズ・ワン監督作としては、日本ではやや知名度が低いシリーズかもしれないが、発表されている4作目まで十分に怖くて面白い作品なので、ホラー映画ファンには確実にオススメできる作品だ。3~4作目はビデオスルーになってしまったので、5作目はぜひ日本劇場公開を期待したい。
監督:ジェームズ・ワン
出演:パトリック・ウィルソン、ローズ・バーン、タイ・シンプスキン、リン・シェイ、バーバラ・ハーシー
日本公開:2011年