映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.410:「イグジステンズ」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は410本目。タイトルはデヴィッド・クローネンバーグ監督による、1999年日本公開作品「イグジステンズ」。特典映像としては、「メイキング・オブ・イグジステンズ」「スペシャル・エフェクト・メイキング」「ジュード・ロウ インタビュー」「ウィレム・デフォー インタビュー」「ジム・イサック(特殊視覚効果スーパーバイザー)インタビュー」「オリジナル版予告編集(3種)」「日本版予告編&TVスポット」で、計70分が収録されている。「メイキング・オブ・イグジステンズ」では、デヴィッド・クローネンバーグ監督が「『イグジステンズ』は、現代的な強迫観念を表現した映画だ。本作のアイデアの源は、イスラム教を冒涜していると言われた小説のせいで死刑宣告を受けた、作家サルマン・ラシュディの状況を映画化したいと思った時だ。彼を敵視しているのはイスラム原理主義者だったんだ。ラシュディとはいろんな話をしたよ。”ゲームデザイナーはアーティストか?”という話が出たのもその時だ。ゲームデザイナーをラシュディの立場に置いて、脚本を書くことにしたんだ。本作の女性ゲームデザイナーと警備員は幻想の世界に入っていくんだよ。」と言い、イグジステンズ』の世界がなぜ魅力的なのか?は、ゲームをプレイするうちに現実と幻想の境界がぼやけて、自分でも分からなくなるからだ。現実の世界では誰もが歳を取るにつれて、社会における役柄を自分で定義づけていく。人は現実社会においても何らかの役柄を演じているんだよ。ゲームプレイヤーでなくても理解してもらえる作品だと思うし、RPGを楽しむ人には登場人物に自分の姿が重なり、気味が悪いほどだと言われた。ゲームの経験が無い人でも日常生活を振り返れば、きっと似た経験をしているはずだよ。」と語っている。出演者のジェニファー・ジェイソン・リーは「現実逃避への憧れは誰にでもあるはずよ。私もコンピュータマニアだからゲームにハマる気持ちが理解できるわ。テレビのようなメディアやゲームが人の心を操っていくの。ポッドは映画の前半から出てくるけど、”小道具”というよりもう一人の出演者ね。触っていると自分も気持ちいいし、ポッドも犬みたいに応えてくれるの。」と答えている。

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作品としては、「ザ・フライ」「戦慄の絆」「裸のランチ」「クラッシュ」など、独特の世界観で有名なデヴィッド・クローネンバーグ監督/脚本による1999年のSFサスペンス映画。監督の初期作「ヴィデオドローム」でテーマだった仮想現実を、よりアップデートしたような作品だろう。出演は「ヘイトフル・エイト」のジェニファー・ジェイソン・リー、「ガタカ」のジュード・ロウ、「ストリート・オブ・ファイヤー」のウィレム・デフォーなど。脊髄に開けた穴に生体ケーブルを挿し込んで人間とゲーム機をつなぎ、バーチャルリアリティ空間でプレイする『イグジステンズ』というゲームをテーマとして描いており、「マトリックス」と同年公開だが非常に近いモチーフだと言える。クローネンバーグ監督作の中ではやや知名度の低い一本だが、グロテスクとエロティシズムが混ざり合った世界観が楽しめる佳作だと思う。

 

 

監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ジェニファー・ジェイソン・リージュード・ロウイアン・ホルムウィレム・デフォーサラ・ポーリー
日本公開:1999年