映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.415:「ベルファスト」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は415本目。タイトルはケネス・ブラナー監督による、2021年日本公開作品「ベルファスト」。特典映像としては、「もうひとつのエンディング(監督/脚本 ケネス・ブラナーによる音声解説付き)」「未公開シーン(監督/脚本 ケネス・ブラナーによる音声解説付き)」「メイキング」「みんなの子供時代」で、計20分が収録されている。「メイキング」では、ケネス・ブラナー監督が「1960年代の終わりまで、僕はベルファストで育ったんだ。あの頃の状況は今の世界にも通じる部分があるよ。この年齢になって、故郷での家族の物語を語るべき時がきたように感じたんだ。物語は9歳の少年の目を通して語られる。テレビや映画が大好きな子で、さまざまな物語に触れて人生というものを学んでいるんだ。昔のアメリカ映画の中の善人と悪人を見て、9歳のバディは善悪の概念を理解しているんだよ。そして現実の世界でも近所に悪人がいて、暴行を目撃したり銃所持の噂を聞いたりする。そういう信じられない紛争がベルファストの歴史では実際に起きたんだ。衝撃的で恐ろしい出来事さ。」と言い、「北アイルランドらしい役者を揃えたかったんだ。素晴らしいキャストに恵まれたよ。キアラン・ハインズの家とはベルファストで、叫べば届くほどのご近所だったし、カトリーナ・バルフはアイルランドの拡大家族の雰囲気を表現してくれた。アイルランドの血を引くジュディ・デンチは、どんな役でもこなす芸達者で、大勢の役者から尊敬されていたね。子役キャストに対しても大人のように接して、考えを尊重し彼らの感覚に委ねるようにしたんだ。子供たちは僕が求めていた、この映画のカギとなる”家族らしさ”を生み出してくれたよ。」と語っている。

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また「舞台となる通りは、50年も経っているから最適なロケ地がなかった。だから家の部屋の大きさや通りの幅まで、正確にセットで表現したよ。撮影の自由も利くしね。実在した通りの特徴を捉えるのと同時に、少年であるバディの視点も意識した。少年の目に映っていた世界を作り上げることが出来たんだ。ベルファストの賑わいと活気が画面から伝わって欲しいね。この映画は自分が何者かを認識する物語だ。登場人物たちの生き方を見て、自分は独りじゃないと感じてもらえたら嬉しいよ。」と答えている。

 

作品としては、俳優として活躍する一方、「オリエント急行殺人事件」「エージェント:ライアン」「マイティ・ソー」などの監督としても知られるケネス・ブラナーが、北アイルランドベルファストで過ごした幼少期の体験を投影した自伝的作品。第94回アカデミー賞でも「作品賞」「監督賞」「助演男優賞」「助演女優賞」など計7部門にノミネートされた結果、「脚本賞」を受賞している。出演は「フォードvsフェラーリ」のカトリーナ・バルフ、「007」シリーズの”M”で知られるジュディ・デンチ、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のジェイミー・ドーナン、「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」でも出演が決まっている子役のジュード・ヒルなど。全編ほとんどモノクロ映像で1960年代の北アイルランドの厳しい時代を描きつつ、家族と故郷という普遍的なテーマを描いたヒューマンドラマだ。ウェルメイドな小品だと思うが、各シーンに金言が含まれており、忘れがたい作品になっている。

 

 

監督:ケネス・ブラナー
出演:ジュード・ヒルカトリーナ・バルフ、ジェイミー・ドーナンジュディ・デンチキアラン・ハインズ
日本公開:2021年