映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.419:「キャプテン・フィリップス (初回生産限定版)」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は419本目。タイトルはポール・グリーングラス監督による、2013年日本公開作品「キャプテン・フィリップス」。特典映像としては、「『キャプテン・フィリップス』を追って(3種)」で計58分が収録されている他、初回版は「『NEWSWEEK』特別書下ろし冊子付き」が付随されている。「『キャプテン・フィリップス』を追って」では、ポール・グリーングラス監督が「海賊事件に対するアメリカ人が持つ印象はハッピーエンドだ。しかし他国の船が襲われた事件には、死者が出たりと悲惨な結末を迎えたものもある。私の父はかつて商船員で、英国の商船で働いていたんだ。だから私には海事の予備知識があったし、本作にも興味が出たよ。つらくてキツイ仕事だが、船に乗る者はみな海に魅了される。フィリップス船長もそうだね。事件のことは忘れていたから脚本を初めて読んだ時に、結末を知らないおかげで驚きの連続だったよ。」と語り、「本作はある意味で矛盾した撮影だったよ。つまり一方では映画の1シーンとして成立させるために、俳優やスタッフの誰もが撮影を意識して計画的に動くが、他方では偶発性も歓迎する。先の読めない雰囲気を出したいからだ。大事なのはスタッフ全員が”先が読めない”という共通意識を持つことだ。台本の流れとおりに現場が動くとは限らないからね。いい映画に仕上がったと思うよ。観るに値する映画を作るという願いが叶った。これが現実の話だということを忘れないで欲しいね。私もフィリップス船長に”帰らぬ人となった者たちを忘れないで欲しい”と同じことを言われたよ。」と語っている。

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また主演のトム・ハンクスは「スタジオ撮影の多くでは、本物そっくりのセットに驚かされることがあるけど、やはりセットはセットであって、本物と作り物には越えられない壁がある。人工的な世界へ飛び込んだような気がしてしまうんだ。でも今回は本物の船を使った。実際の事件にあったマークス・アラバマ号の姉妹船だから、全てがリアルだったよ。至るところで頭をぶつけ、鉄製の甲板では歩くうちに足が痛んだ。本作ではぶっ通しで見せるしかない場面が多く、1シーンが12分~18分にもなった。撮影は2~3台のカメラを使い、マルチアングルで撮ったんだ。役を演じ切るには流れに身を任せるしかないから、つらい撮影だったね。ポール・グリーングラス監督の映画に出ていた、マット・デイモンにコツを聞くと”最初のリハは大惨事になる”と言われ、さらに”現場は皆がやりたい放題だが、時間と共に全て解決する”と言われたが、全部本当だったよ。この映画は船長の妻であるアンドレアの”大丈夫よね?”というセリフで始まり、女性衛生兵の”大丈夫よ”というセリフで終わる。まるで長旅の始まりと終わりを告げるみたいだったよ。」と答えている。

 

作品としては、「ボーン・アルティメイタム」などのボーンシリーズの他、「グリーン・ゾーン」「ユナイテッド93」などのポール・グリーングラスが監督した、実話ベースのサスペンスドラマ。第86回アカデミー賞では「作品賞」「脚色賞」の他、6部門でノミネートされている。主演は「フォレスト・ガンプ 一期一会」「アポロ13」「グリーンマイル」などの名優トム・ハンクスケニアに向かって航行していたコンテナ船マースク・アラバマ号は、ソマリア海域で海賊に襲われ占拠されてしまうが、53歳のベテラン船長リチャード・フィリップスは20人の乗組員の命を守るため、命がけの駆け引きを始めるというストーリーだ。134分の上映時間中、とにかく緊迫感が続く演出で、ドキュメンタリータッチが得意なポール・グリーングラス監督の真骨頂ともいえる作品だと思う。

 

 

監督:ポール・グリーングラス
出演:トム・ハンクスバーカッド・アブディマックス・マーティーニキャサリン・キーナー
日本公開:2013年