映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.422:「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は422本目。タイトルはウェス・アンダーソン監督による、2022年日本公開作品「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」。特典映像としては特に無し。作品としては「天才マックスの世界」「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」「グランド・ブダペスト・ホテル」「犬ヶ島」などの、ウェス・アンダーソン監督が手掛けた長編第10作。出演はベニチオ・デル・トロエイドリアン・ブロディティルダ・スウィントン、レア・セドゥ、フランシス・マクドーマンドティモシー・シャラメジェフリー・ライトウィレム・デフォーなど。ほとんどセリフのないような小さな役を超有名俳優が演じていたりと、ウェス・アンダーソン作品ならではの錚々たるキャストで語られるコメディドラマだ。第79回ゴールデングローブ賞では、「最優秀作曲賞」にノミネートされている。

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20世紀のフランスの架空の都市で発行されたアメリカの雑誌『フレンチ・ディスパッチ』の最終号に掲載されたストーリーを、3つのエピソードとひとつのレポートで構成したオムニバス形式で描いており、まるで本当に雑誌の各コーナーを眺めているような映画体験が味わえる。こういう作品だと、語られる各エピソードが最終的には交差したりリンクするのが定石だと思うが、本作においては実際の雑誌のように完全に独立したストーリーが語られており、かなり特殊な作風だと言えるだろう。とにかく左右対称のシンメトリックな構図や独特の小道具、セットの世界観などは”ウェス・アンダーソン作品”としか言いようのない作りになっており、過去作のファンであれば画面を眺めているだけで楽しめると思う。ただし一本の映画として、ストレートに物語としてのカタルシスがある作品ではないので、初見では難解だと感じるタイプの映画かもしれない。このあたりのコンセプトは、2023年公開の最新作「アステロイド・シティ」にもしっかりと引き継がれており、ウェス・アンダーソン監督が新しいフェーズに入ったことが感じられる作品だと思う。

 

 

監督:ウェス・アンダーソン
出演:ベニチオ・デル・トロエイドリアン・ブロディティルダ・スウィントン、レア・セドゥ、フランシス・マクドーマンド
日本公開:2022年