映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.433:「1987、ある闘いの真実」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は433本目。タイトルはチャン・ジュナン監督による、2018年日本公開作品「1987、ある闘いの真実」。特典映像としては、「メイキング」「キム・ユンソク&ハ・ジョンウ&ユ・ヘジン&キム・テリ&パク・ヒスン&イ・ヒジュンから日本のファンへのメッセージ」「オリジナル特報/オリジナル予告編/15秒SPOT/日本版特報/日本版予告」で、計15分が収録されている。「メイキング」では、チャン・ジュナン監督が「1987年1月から6月までのいくつもの物語が少しずつ繋がって、本作では1つの終着点に到達します。”製作が困難でも今の時代に必要な映画だ”とこの物語の力を信じていましたね。作品の始まりはドキュメンタリー風に、カメラを固定せずに躍動感を出しました。各々の人物の心の機微をどう描くか、望遠レンズでズームしたり逆にマイクロレンズを使って近くで撮影したりと、撮影監督はカメラを通じて役者のように演じていたと思います。彼も名俳優の一人ですね。」と言い、「制作においては膨大な資料をもらいました。わずか30年前の話で、まだ記憶に新しい時代を映画にするので、リアルさを求めて本物を追求しましたね。当時実際に起こった事件を黒板に書いたりと、史実をここまで完璧に考証した作品は初めてだと思います。30年前のし烈な闘いに大勢の人々が勇気を持って果敢に挑みました。1987年を生きた人たちから、勇気と希望を受け継いでほしいですね。」と語っている。また出演者については、「キム・ユンソクさんは、ゼロから役作りをスタートします。キャラクターの根っこにあるものは何か?キャラクターの本質は?を考えて、外見も実在人物に近づけてくれましたね。多面性がありながらどこか歪んでいるという、壮絶な生い立ちゆえの深みのある人物の怖さを、引き立たせてくれました。またハ・ジョンウさんは例えるならラグビーボールのように、軸を維持しつつ自由に動き回る俳優で、この役にピッタリでした。撮るたびに新しい演技を見せてくれて、持ち味を活かしてくれましたよ。」と答えている。

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作品としては、「ファイ 悪魔に育てられた少年」のチャン・ジュナンが監督した、骨太の社会派ドラマ。出演は「チェイサー」のキム・ユンソク、「チェイサー」のハ・ジョンウ、「タクシー運転手 約束は海を越えて」のユ・ヘジン、「華麗なるリベンジ」のカン・ドンウォン、「お嬢さん」のキム・テリなどの豪華キャストが共演している。1987年1月、軍事政権下の韓国。南営洞警察のパク所長が指揮する取り調べの最中に、ソウル大学の学生が死亡してしまう。その隠ぺいのために警察組織は火葬の手配を急ぐが、チェ検事は国家権力に負けず死体の検死解剖を命じるのだったという序盤の展開から、韓国における民主化闘争の激しさと市井の人々の戦いが描かれている。実話を基にしており、この内容を忖度なく映画化できる韓国映画界には頭が下がる思いだ。上映1か月余りで観客動員数700万人を超えた大ヒット作となったが、日本人でも観て損はない傑作だと思う。

 

 

監督:チャン・ジュナン
出演:キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ユ・ヘジン、キム・テリ、カン・ドンウォン
日本公開:2018年