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エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.434:「KCIA 南山の部長たち」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は434本目。タイトルはウ・ミンホ監督による、2021年日本公開作品「KCIA 南山の部長たち」。特典映像としては、「メイキング(撮影編/演技編)」「キャストメッセージ(イ・ビョンホン/イ・ヒジュン/クァク・ドウォン)」「日本公開記念スペシャル・メッセージ(イ・ビョンホン)」「予告編」で計9分が収録されている。「メイキング」では、ウ・ミンホ監督が「『南山の部長たち』は1979年、大統領暗殺事件前の40日間を描いた物語だ。なぜ彼が大統領に銃口を向ける事になったのかを描いており、それがこの映画の始まりなんだ。原作は大学の時から読んでいたが、内容が強烈すぎて映画化は難しいだろうと思っていた。でも中立で客観的、そして冷静に撮ろうと努力したんだ。原作は膨大な内容なので、その中でも特に劇的な部分を映画化している。本作ではパリのヴァンドーム広場という華やかな広場で大きな事件が起こるが、韓国映画で撮影するのは初めてのロケーションだったから気合が入ったね。主演のイ・ビョンホンは、自分の考えや感情を抑えて隠さなければならないという、丁寧で繊細な演技をしてくれたよ。」と言い、主演のイ・ビョンホンは「本作は1979年に実際に起きた、大統領暗殺事件を元に作られているんだ。一方の視点に偏らず、原作の記録や証言が基になっているよ。各登場人物の葛藤や感情を絶妙なカメラワークで見せるのが、この映画の魅力なんだと思う。」と語っている。

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作品としては、「インサイダーズ 内部者たち」のウ・ミンホが監督した、ポリティカルサスペンス。ノンフィクション「実録KCIA『南山と呼ばれた男たち』」を原作に、1979年に韓国の朴正煕大統領が中央情報部部長キム・ジェギュに暗殺された実話の映画化で、第93回アカデミー賞国際長編映画賞の韓国代表作にも選ばれている。出演は「王になった男」「非常宣言」のイ・ビョンホン、「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」のイ・ソンミン、「アシュラ」のクァク・ドウォン、「1987、ある闘いの真実」のイ・ヒジュン、「モガディシュ 脱出までの14日間」のキム・ソジンなど。韓国映画の実録ものは「タクシー運転手 約束は海を越えて」「1987、ある闘いの真実」など素晴らしい作品が多いが、本作もそれに漏れない。特に本作は79年当時を精密に再現した美術や陰影の効いた照明、画面の構図や演出などの映像クオリティが高く、重いトーンの作品だが最後まで全く飽きさせないのも見事だ。主演のイ・ビョンホンも近年の出演作の中でも、トップクラスの演技を見せていると思う。

 

 

監督:ウ・ミンホ
出演:イ・ビョンホン、イ・ソンミン、クァク・ドウォン、イ・ヒジュン、キム・ソジン
日本公開:2021年