映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は443本目。S・クレイグ・ザラー監督による、2017年日本公開作品「デンジャラス・プリズン ―牢獄の処刑人―」。特典映像としては「メイキング」で、計15分が収録されている。特典映像では、S・クレイグ・ザラー監督が「本作の主人公は自動車修理店で働く男だ。その職を失い帰宅すると更なる不幸が待っていて、妻との生活を改善しようとする。本作は性格劇で、主人公と妻との関係にかなり重点を置いているんだ。そしてアクション指導のドリューとコリーは、中国武術を基にして役者たちを指導してくれた。皆の共同作業によって生まれたアクションシーンなんだよ。現代的な格闘シーンには見えないところが、私は満足している。演じる誰もが自らを危険に晒し、殴られ、練習を重ねて本番に臨んでくれたんだ。」と言い、プロデューサーのジャック・ヘラーは「99号棟の独房は自分たちで作ったんだ。だがそれ以外にも、廊下や長い通路などが本編には出てきてどれも石造りでスケールが大きいが、スタテン島のフォート・ワズワース(旧軍事施設)を古い刑務所に見えるように壁を加工して撮ったんだよ。だが歴史的な建造物で釘なんて打てなかったら、プロダクションデザインチームの成果は大きいね。”創意”と”インディペンデンス系作品の精神”の2つが、本作の舞台を作り終盤を面白くさせているよ。」と語っている。
主演のヴィンス・ヴォーンは「本作には初めて見る個性があった。クレイグ監督が描く人物は魅力的で真実味に溢れ、物語は筋が通っていて人をのめり込ませる。登場人物たちの辿る人生はすごく変わっているんだ。夫婦の関係や生活の苦労は現実的な話だが、刑務所内ではそれが一変し男が身を落としていく過程は、本作独自の展開だね。脚本をすごく気に入り、監督の前作「トマホーク ガンマンvs食人族」を観て衝撃を受けた。確信に満ちていて、めったに出会えない独自性があったよ。監督に出会って彼の視点と見解に感心し、特別な作品に参加することに興奮したんだ。だから南部の訛りを練習して、脚本を読み込みながらその行間を埋める背景を作り上げていったよ。ただ脚本の完成度が高かったので、理解に苦労することはなかったけどね。」と答えている。
作品としては、「トマホーク ガンマンvs食人族」「ブルータル・ジャスティス」のS・クレイグ・ザラー監督が手掛けた、バイオレンスアクション。主演は「ハクソー・リッジ」「ザ・スイッチ」などのヴィンス・ヴォーン。S・クレイグ・ザラー監督とは「ブルータル・ジャスティス」でもコンビを組んでいる。共演は「エミリー・ローズ」のジェニファー・カーペンター、「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」のドン・ジョンソン、「サスペリア」のウド・キアなど。妊娠している妻のローレンを人質に取られたブラッドリーは、レッドリーフ刑務所に服役している男を殺すように命じられ、刑務所に送られるように暴れまくるというプロットなのだが、セリフや演出がいちいち気が利いていて癖になる作品だ。「ブルータル・ジャスティス」よりはかなり粗削りだが、S・クレイグ・ザラーならではの作風が楽しめる佳作だ。
監督:S・クレイグ・ザラー
出演:ヴィンス・ヴォーン、ジェニファー・カーペンター、ドン・ジョンソン、ウド・キア
日本公開:2017年