映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は445本目。パク・チャヌク監督による、2001年日本公開作品「JSA」。特典映像としては、「Blu-ray発売記念・イ・ビョンホン スペシャルメッセージ」「来日インタビュー(ソン・ガンホ&イ・ビョンホン/イ・ヨンエ)」「メイキング(撮影風景)」「予告編(オリジナル/日本版)」で計39分が収録されている。「来日インタビュー」では、ソン・ガンホが「シナリオがとても良かったから出演を決めました。完成度が高かったのはもちろんの事、南北分断という堅いテーマを取り上げながらも堅苦しい手法や偏狭な描き方ではなく、笑いで昇華するという洗練された切り口が、心に強く響いたんです。これまでの北朝鮮に対する、固定観念を完全に打ち破ってくれる人物描写も新鮮でしたね。私が個人的にもっとも印象に残っているシーンは、後半のハイライトの部分で、歩哨所で起きた銃撃事件によって数人が負傷した後、事態を収拾する中でギョンピルが韓国の兵士を帰す場面です。その時のギョンピルの孤独は今の朝鮮半島に生きている若者すべての孤独であり、韓民族すべての孤独が凝縮されている気がして印象に残っていますね。」と言い、共演のイ・ビョンホンは「私の兵役中に出演依頼をもらい、シナリオを読んで出演を決めました。ただ最初に話を聞いた時の印象はそれほど良くなく、南北問題というとても重いテーマなだけに、描き方によっては陳腐になりがちなテーマだったからです。でも『JSA』のシナリオはあまりにも面白くて、読みながら笑ってしまい上官に睨まれたこともありました。でもこれほど大変な撮影を経験したのは初めてでしたね。まず第二部の過去シーンを先に撮り終えて、現在のシーンである1部と3部の撮影はその1週間後でしたが、その期間にお粥を朝昼晩にそれぞれスプーン1杯分だけ食べて、水を絶対に飲まないというダイエットをして5キロ痩せました。監督は予想もしていなかったらしく、別人みたいだと言われましたね。兵役後の出演作という事で大きなプレッシャーを感じていました。」と語っている。
作品としては、「オールド・ボーイ」「親切なクムジャさん」「お嬢さん」などのパク・チャヌク監督が手掛けた、社会派サスペンス。出演は「KCIA 南山の部長たち」「MASTER マスター」のイ・ビョンホン、「殺人の追憶」「パラサイト 半地下の家族」のソン・ガンホ、「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」「親切なクムジャさん」のイ・ヨンエなど。韓国では公開当時「シュリ」を超えて、ソウルでの入場者記録を塗り替え社会現象となり、「大鐘賞」や「青龍賞」なども受賞し、韓国内でも高い評価を得ている。最近でも「別れる決心」などを発表した名匠パク・チャヌク監督のブレイクスルー作であり、イ・ビョンホンも本作の大ヒットでスターダムに上がった。ソン・ガンホもカン・ジェギュ監督「シュリ」に続く、大ヒット作となっている。南北を分断する北緯38度線で起こった事件を、サスペンスと国家を超えた友情ドラマの両方の側面から描いており、今観ても十分に現代性のある作品になっていると思う。