映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.447:「不思議惑星キン・ザ・ザ≪デジタル・リマスター版≫」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は447本目。ゲオルギー・ダネリヤ監督による、1989年日本公開作品「不思議惑星キン・ザ・ザ」。特典映像としては「予告編」のみ。ゲオルギー・ダネリヤ監督は「僕はモスクワを歩く」「アフォーニャ」など、ロシア国内で高い評価を受けている監督で、本作も1,570万人という驚異的な観客を動員したらしい。1986年にソビエト連邦時代のジョージアで製作され、当時のソ連で大ヒットを記録した脱力系SFコメディだ。日本でもカルト的な人気を誇り、89年に都内の劇場で行われた「ソビエトSF映画祭」で初めて紹介された後、2001年にニュープリント版、2016年8月にデジタルリマスター版が公開されている。また2021年5月には、アニメ版「クー!キン・ザ・ザ」の公開にあわせ、実写版も4度目の劇場公開を果たしている。

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ストーリーの概要としては、主人公マシコフは帰宅するなり妻に「マカロニを買ってきてくれ」と頼まれ外出するが、街角でバイオリンを抱えた青年に「あそこに自分のことを異星人だという男がいる」と声をかけられたことから、男と言葉を交わす。その自称異星人は「この星の座標を教えてくれ」と尋ねてくるが、無視して男の手の中にあった装置を押すと、マシコフと青年は砂漠のど真ん中にワープしてしまう、というもので終始シュールで不可思議な世界観の作品となっている。宇宙人たちはほとんど「クー!」という言葉だけでやり取りしており、印象的なポーズと共に本作のトレードマークとなっている事からも、全編に亘ってかなりコメディ色は強い。だが当時のソ連における”階級社会”も色濃く反映されており、同時に風刺の効いた作品になっているのもポイントだろう。正直ストーリー的な推進力はかなり低く、ストレートに”面白い”というタイプの作品ではないが、カルト映画らしく妙な中毒性があるのは事実だ。10年後にもどこかの劇場で再上映されているような作品だろう。

 

 

監督:ゲオルギー・ダネリヤ  
出演:スタニスラフ・リュブジン、エヴゲーニー・レオン、ユーリー・ヤコヴルフ、レヴァン・ガブリアゼ
日本公開:1989年(日本初公開)/2021年(デジタルリマスター版)