映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は451本目。タイトルはヨン・サンホ監督による、2021年日本公開作品「新感染半島 ファイナル・ステージ」。特典映像としては、「メイキング」「カン・ドンウォン スペシャルメッセージ」「予告編集」で計37分が収録されている。「メイキング」では、ヨン・サンホ監督が「前作『新感染』が公開された時、その後の韓国が観たいと言われました。”あの後、韓国はどうなったのか?”と私もよく想像していて、アポカリプスと言える状況の後、滅びゆく世界で人々はどう生きているのか?を私も知りたいと思いました。想像すればするほど映画の構想が膨らんでいって、この続編が誕生したんです。そして本作では、想像以上に廃れてしまった街並みを描きたいと思っていました。通常は本編を撮り終えてから、特殊効果の作業に入るんですが、今回は少しでも完成度を上げる為に撮影が始まる前から着手しましたね。」と言い、「今回の作品では”夜のシーン”がたくさんあります。ただ暗い画面が続くと見づらくなってしまうので、色が引き立つようにしました。暗い画面でも色の対比をハッキリさせて、見やすくなるように工夫しています。全体的に画面を明るくするより、月明かりに照らされている感じを表現しました。現実感のあるSFのようなイメージですね。ロケは多くありませんでしたが、都市全体のセットは作れないので街の一部だけセットを作ったんです。」と語っている。
また「前作の『新感線』はとても個性の強い映画でした。主演のコン・ユさんも個性的で作品のジャンルも独特です。その続編の雰囲気に合う人として考えたのが、カン・ドンウォンさんでした。彼のまなざしに何度も引き込まれましたよ。作品の個性にも負けていませんし、難しいアクションもほとんど自分で演じてくれました。俳優の鑑だと思いましたね。彼から学ぶことは多かったです。」と言い、主演のカン・ドンウォンは「ヨン監督が知人を通して台本をくれました。今回の作品で一番興味があったのは、特殊効果で廃れた韓国を描く点です。前作『新感染』から4年後の世界を描いていますが、撮影セットも楽しみでしたね。アクションもありましたが、ほとんど銃を撃ったり走ったりでした。ずっと動いているゾンビの動きは独特なので息を合わせるのは難しかった分、撮影中のNGは多かったと思います。襲われて反撃するという普通のアクションなのに、動きが合わなくて悩むこともありましたね。」と答えている。
作品としては、韓国産ゾンビ映画の傑作「新感染 ファイナル・エクスプレス」の4年後を舞台とした続編。監督は前作に引き続きヨン・サンホが務め、第73回カンヌ国際映画祭オフィシャル・セレクション作品となっている。今作は朝鮮半島全域がすでにパンデミックに襲われているという設定で、前作のような閉鎖空間ではなく、”ゾンビが大量に徘徊するソウルを舞台に、乗り捨てられたトラックから2,000万ドルの大金を回収して脱出する”という、荒廃した世界観のアクションものにシフトしている。監督はジョージ・A・ロメオの「ランド・オブ・ザ・デッド」、ジョージ・ミラーの「マッドマックス 怒りのデス・ロード」あたりを参考にしたらしい。前作と比較するとサスペンスの要素が後退し、かなり大味なアクション映画になっているが、それでも世界中で手垢の付いたゾンビ映画というジャンルを再構築している、韓国映画の良作だと思う。