映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.452:「エクストリーム・ジョブ 豪華版」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は452本目。タイトルはイ・ビョンホン監督による、2020年日本公開作品「エクストリーム・ジョブ」。特典映像としては、「魅力報告書」「キャラクター紹介」「チームワーク映像」「コンミョン 撮り下ろしインタビュー」「日本のファンへメッセージ」「メイキング集」「予告編集(本予告/30秒予告/スペシャル予告)」で計115分が収録されている。「メイキング集(今までこんな刑事はいなかった)」では、イ・ビョンホン監督が「1つのチームが主人公の映画です。登場人物同士のかけ合いや、チームメンバーのバランスを最も重視しました。本作はズバリ言うと、”ウケたかった”んです。この映画を作った目的を聞かれた時に、”笑わせることだ”と胸を張って言いたかった。今作は監督の僕を気にせず、自由に演じてもらいました。俳優皆さんの演技に任せたんです。これまでの作品は人物に焦点を当てたものが多かったので、表情や抑揚などを細かく指示していました。でも今作はシチュエーションコメディなので、俳優の演技力に頼った部分が大きかったですね。あえて(監督からの)演出を抑えたんです。」と言い、「5人が主人公ではありますが、その中でも”コ班長”は象徴的な人物です。一家の大黒柱かつチームの兄貴的存在で、実は情に厚いリーダーですね。それでも昇進に悩んだりと、忙しい小市民の姿を映し出したいと思いました。強くて正義感あふれる刑事じゃなく、一人の市民として描きたかったんです。配役はシナリオを書く段階から、リュ・スンリョンを念頭に置いていました。だからオーケーをもらった時、みんなで飛び上がって喜びましたよ。演技力には抜群の安定感がありますし現場でも頼りにしていて、最年長としてチームをまとめてくれましたね。コメディを演じられる数少ない名優です。」と語っている。

f:id:teraniht:20240114173920j:image
f:id:teraniht:20240114173924j:image

また「この映画は絶対的な悪を成敗するという物語ではありません。悪党を捕まえることが目的じゃないんです。刑事が商売人になるという皮肉な展開やそこから生まれる滑稽さ、そして小市民の日常に焦点を当てた映画です。悪党とのアクションもありますが、不快にならないように配慮しました。映画に出てくる悪党は大抵が骨の髄まで悪いヤツですよね。でもそういう描き方はしたくなかったんです。悪党を倒す時の快感は大切ですが、その快感を損なわない程度にかわいい悪党にしたいと思っていました。」と答えている。

 

作品としては、麻薬犯罪組織を検挙するため仕方なくフライドチキン屋に扮したが、その店がなぜか大繁盛してしまう捜査班の奮闘を描いたアクション・コメディ。韓国で歴代興行収入1位を記録し、観客動員数は歴代2位という大ヒット作だ。文化や笑いのツボが違うために、海外のコメディ映画は笑えない作品が多いのだが、今作については心底笑えて面白いと感じられる稀有な映画になっていると思う。各キャラクターの個性も立っていて、笑えるコメディシーンやセリフを思い出していたらキリがないくらいだ。この主人公の五人組をずっと観ていたいと思ってしまう時点で、この映画は完全に成功していると思う。終盤のアクションシーンも最高に盛り上がるし、コメディエンターテイメント作品としては韓国映画屈指の傑作だろう。

 

 

監督:イ・ビョンホン
出演:リュ・スンリョン、イ・ハニ、チン・ソンギュ、イ・ドンフィ、コンミョン
日本公開:2020年