映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は457本目。タイトルはフェデリコ・フェリーニ監督による、1957年日本公開作品「道」。特典映像としては特に無し。ブルーレイのみの封入特典として、中条省平氏による「16P解説ブックレット」が封入されている。「甘い生活」「8 1/2」「カビリアの夜」などの名作で有名な、イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニが手掛けた長編3作目であり、彼の代表作のひとつだろう。第29回アカデミー賞では「外国語映画賞」を受賞している。ザンパノ役を「アラビアのロレンス」のアンソニー・クイン、ジェルソミーナ役をフェリーニのプライベートなパートナーであるジュリエッタ・マシーナが演じている。2020年には、「生誕100年フェデリコ・フェリーニ映画祭」でも再上映された。
作品としては、貧しい家庭に生まれ育った女性ジェルソミーナは力自慢の大道芸人ザンパノに買われ、彼の助手として旅回りに出る。粗暴で女好きなザンパノに嫌気が差したジェルソミーナは彼のもとから逃げ出し、捕まって連れ戻されてしまう。そんなある日、2人はサーカス団と合流することになり、ジェルソミーナは綱渡りの陽気な青年イル・マットと親しくなるが、ザンパノとイル・マットは険悪な関係で、遂には傷害事件へと発展してしまう、というストーリーだ。いわゆるフェデリコ・フェリーニ監督における”古典的名作”で、日本でも公開時の1957年では「日比谷スカラ座」で開場以来最高の興行成績を記録し、主題歌の「ジェルソミーナのテーマ」も大ヒット、「キネマ旬報」の批評家投票ベスト10でも堂々の1位と、ここでフェリーニは若き鬼才と認識されたらしい。劇中の綱渡り芸人イル・マットによる「どんな石ころだって何かの役に立っているんだ」というセリフは、映画史上に残る名セリフとして有名だろう。ラストシーンの悲壮感も素晴らしく、ロードムービーとしても全く古びていない映画史に残るマスターピースだ。
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:ジュリエッタ・マシーナ、アンソニー・クイン、リチャード・ベイスハート
日本公開:1957年(再上映2020年)