映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.464:「死刑台のエレベーター」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は464本目。タイトルはルイ・マル監督による、1958年日本公開作品「死刑台のエレベーター」。特典映像としては、特に無し。「鬼火」「好奇心」「アトランティック・シティ」などのフランス人監督ルイ・マルのデビュー作品で、フランスの映画賞「ルイ・デリュック賞」を受賞した、当時25歳の新人監督がノエル・カレフの犯罪小説を映画化した作品だ。撮影は「大人は判ってくれない」太陽がいっぱい」「サムライ」などで有名なアンリ・ドカエが手掛けている。また音楽を”モダン・ジャズの帝王”と呼ばれたマイルス・デイビスが担当しており、本作のオリジナルサウンドトラックもシネ・ジャズの先駆的作品であり傑作とされている。マイルス・デイビスが初めて手掛けた映画音楽としても有名だ。出演は「突然炎のごとく」「エヴァの匂い」「小間使の日記」などが有名で、2017年に亡くなったジャンヌ・モロー、「太陽がいっぱい」「鬼火」などのモーリス・ロネ

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あらすじとしては、パリの土地開発会社の重役ジュリアンは、その会社の社長夫人フロランスと不倫関係にあり、フロランスの夫を自殺に見せかけて殺すという完全犯罪を実行に移す。殺人を行い一旦は会社を出た彼だが、証拠が残っていることに気付き再び現場に戻るが、運悪くエレベーターに閉じこめられてしまう。待ち合わせの時間を過ぎても来ないジュリアンを心配し、夜のパリをさまようフロランスだがジュリアンの車を盗んだカップルを巻き込みながら、物語は思わぬ方向に進んでいくのだった、というものだ。映画としては、エレベーターに閉じ込められた男、その彼を心配する社長夫人、男の車を盗んだカップルの3組を主軸に展開していくのだが、カメラを使った何気ない伏線がラストにしっかり回収されたりと、サスペンスとしても秀作だ。そして何より鳴り響くマイルス・デイビスのクールな旋律と、アンリ・ドカエによる陰影の効いた画作りが素晴らしい。フレンチ・ハードボイルドノワールとして、色あせない傑作だろう。

 

 

監督:ルイ・マル
出演:ジャンヌ・モローモーリス・ロネ、ジョルジュ・プージュリ、リノ・ヴァンチュラ
日本公開:1959年