映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は469本目。タイトルはジョン・ファヴロー監督による、2015年日本公開作品「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」。特典映像としては「未公開シーン」「製作の舞台裏」で、計18分が収録されている。「製作の舞台裏」では、ジョン・ファヴロー監督が「今作は(自分が手掛けてきた)大作と違って、創造性を追求したかった。その象徴が”屋台”なんだ。料理は奥深いし映像的にも美しい。こういう映画だと細部にまでこだわれるよ。料理も器も屋台のメニューも考え抜いたんだ。だから本作ではソースを味見したり、チーズサンドを食ったりと、リハーサルから食いっぱなしだったよ。」と言い、「映画の世界と料理の世界は似ている。どちらも創造のプロセスなんだ。この映画は自分の撮りたい画を撮れる場所まで、実際にトラックで行けたから満足しているよ。ロケ地や店にこだわったのは、そこにしかない味や雰囲気を伝えたかったからだ。音楽や料理を通して、父と子の絆が深まっていく。息子と貴重な時間を過ごして、人生が変わる。それがこの映画の良さなんだ。仕事と家族、どちらかを選ばなくてもいいんだよ。」と語っている。また料理指導はロイ・チョイは「ジョン・ファヴローは料理に純粋な興味を持っていた。だからロスの料理界をそのまま見せたよ。僕の役割は彼に知識や技を教えて、シェフの仕事を理解させることだ。彼は料理というアートを尊重してくれたよ。」と答えている。
作品としては、「アイアンマン」で一躍有名になり、その後「アイアンマン2」や実写版「ジャングル・ブック」「ライオン・キング」などを手掛けた、ジョン・ファヴローによるヒューマンコメディ。ジョン・ファヴローは、「アイアンマン」における、主人公トニー・スタークの運転手ハッピー役でも出演している。本作「シェフ」では、製作/監督/脚本/主演の4役を担当しており、かなりの低予算作品ながらも、ジョン・レグイザモ、ソフィア・ベルガラ、ロバート・ダウニー・Jr.、スカーレット・ヨハンソン、ダスティン・ホフマンといった超豪華ハリウッドスターが出演しているのは、ジョン・ファヴロー監督の人徳だからだろう。ストーリーも、高級店で働きながらも落ちぶれてしまったシェフが、気の置けない同僚や息子とフードトラックで旅するうちに本当に大事なものに気付くという内容で、インディー的な小品だ。だが非常にポジティブなメッセージが伝わる、暖かく素敵な作品だった。
監督:ジョン・ファヴロー
出演:ジョン・ファヴロー、ソフィア・ベルガラ、ジョン・レグイザモ、スカーレット・ヨハンソン、ダスティン・ホフマン
日本公開:2015年