映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.471:「オペラ座 血の喝采 完全版」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は471本目。タイトルはダリオ・アルジェント監督による、1989年日本公開作品「オペラ座 血の喝采 完全版」。特典映像としては「日本版予告編」のみ。「サスペリア」「インフェルノ」「スリープレス」など数々のホラー映画の名作を作り続け、2023年にも最新作「ダークグラス」を発表したイタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェントが、監督/脚本を手掛けたジャッロ作品。日本では長い期間DVDも未発売だったが、劇場公開版から約12分10箇所の追加シーンを挿入した完全版が、2014年にリリースされた。サスペリア」のサントラも手掛けている、イタリア出身のプログレバンド「ゴブリン」のクラウディオ・シモネッティによる楽曲も強烈で、殺人シーンで必ずハードロックをかける演出が面白い。

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ストーリーとしては、若手のオペラ歌手であるヒロインのベティは、主演オペラ歌手が交通事故で舞台を降板したことで、急遽「マクベス」の主役に抜擢されるが、その舞台は不幸を招くと言われており彼女は躊躇する。だが周囲の説得を受けて、舞台に立ったベティは喝采を浴びるが、その日から彼女のまわりで次々と残忍な殺人事件が起こっていく、という内容だ。本作の犯人は必ずベティの前で殺人を行うが、その際にベティのまぶたに針を貼付けて目が閉じられないようにするという、ジャケットにもなっている変態的な場面が特に印象深い。他にもベティのマネージャーが覗いた鍵穴越しに銃で目を撃ち抜かれたり、犯人がカラスに片目を潰されたりと、目にまつわる残虐シーンが多いのもダリオ・アルジェント監督の本作におけるこだわりと言えるだろう。ラストにおける強引な結末はいかにもジャッロ作品らしいが、アルジェント作品の中でも、特にビジュアルへの様式美を感じる一作だと思う。

 

 

監督:ダリオ・アルジェント
出演:クリスティナ・マルシラック、ウルバノ・バルベリーニ、イアン・チャールソン、ダリア・ニコロディ
日本公開:1989年