映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は489本目。タイトルは ホアキン・ドス・サントス/ケンプ・パワーズ/ジャスティン・K・トンプソンという3人の監督による、2023年日本公開作品「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」。特典映像としては、「スパイダーマン映画の作り方」「仕込まれたネタを探せ」「交差する次元と運命」「アクロス・ザ・ワールド」「気さくなお隣さん:スパイダーキャスト」「キャラクターのデザイン」「ヒーローの育て方」「マルチバースの音楽」「アクロス・ザ・コミックバース」「スパイダー・ソサエティからの逃走」「ミゲルとの通信」「リリックビデオ」で、計103分が収録されている。「スパイダーマン映画の作り方」では、フィル・ロード&クリストファー・ミラーを含む本作に関わったクリエイターたちが、「第一作目は人々を驚かせた。本作ではもう一度人々を驚かせるよ。少ししか手を加えてないように見えるが、アーティストたちによって映像は格段に良くなっているんだ。本作では物語をさらに広げたかった。全部で5つの世界が出てくるが、新しい次元とスタイルを創り出すのは最高だったね。これは”アニメ映画”ではなく、”スパイダーマン映画”なんだ。」と言い、「革新的と言われた映画の続編を作る時の問題は、前作と同じじゃ通用しないってことだ。より面白くて予想外のものが求められる。でも観客が前作で気に入ったものも追加する必要があるんだ。すべてを第一作目の1,000倍にするっていう指令だったんだよ。アニメーションの美点は世界を丸ごと作れるってことで、表現できることの幅がとても広いんだ。アート作品のように見えるといいね。各世界のスタイルやそれぞれの言語も作っているから。」と語っている。
また「すべてはフィルとクリスの脚本から始まるんだ。それを大勢に伝えるには監督も各種デザイナーもアニメーターも共通のビジョンを持たねばならない。規模の大きい映画なので、どうしても監督が3人必要になった。ジャスティン・K・トンプソンは前作の美術監督だったが、世界でも指折りの才能でこのシリーズ作品のスタイルを作った。そしてホアキン・ドス・サントスは、最高のストーリーボード・アーティストで、彼が書く配置もカメラワークもキャラの動きも素晴らしい。最後にケンプ・パワーズは優れた脚本化で編集の経験も豊富だった。声を担当した俳優ともやり取りして、脚本を基にキャラクターを作りこんでいくんだ。セリフと物語はケンプが磨いていくんだよ。1人で作るよりも豊かな作品になったね。」と答えている。また「約1,000人のスタッフが同じビジョンを共有し、毎日形にしようとしていた。大勢のアーティストとライターが力を合わせたんだ。いつも誰かが言うんだ、”楽しいものを見せろ。新技術を作れ、そうすれば採用する”とね。人の手で作ったと感じられる作品にしたいから、皆で改善案を出し合ったよ。ムンバッタンというキャラのストーリーボードを作ったら、インド系アニメーターたちからメールが来たんだ。”カッコ良さとインドらしさが足りない”とね。そこで再考し、愉快でもっと意欲的な態度を盛り込んだんだ。お陰で良いキャラクターになったよ。それぞれの創造性と技術を持ち寄って、すべてのカットを作っている。実に大勢の熟練者を必要とする仕事なんだ。」と語っている。
作品としては、アカデミー長編アニメーション賞を受賞した2018年製作のアニメーション映画「スパイダーマン スパイダーバース」の続編。この「アクロス・ザ・スパイダーバース」も、第96回アカデミー賞にて「長編アニメーション賞」にノミネートされている。前回に引き続き高校生マイルズ・モラレスが主人公だが、本作ではアース65の女性スパイダーマンであるグウェン・ステイシーの親子関係も深堀りされて、シナリオに深みを与えている。本作における世界規模の大ヒットを受けて、さらなる続編となる「スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース」も製作中であり、世界中のファンが公開を待ち望んでいるシリーズだ。
監督:ホアキン・ドス・サントス/ケンプ・パワーズ/ジャスティン・K・トンプソン
出演:シャメイク・ムーア、ヘイリー・スタインフェルド、ジェイク・ジョンソン、オスカー・アイザック、ダニエル・カルーヤ
日本公開:2023年