映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は106本目。タイトルは、クリント・イーストウッド監督による作品「リチャード・ジュエル」。廉価版がリリースになったため、Amazonにて新品で購入した。映像特典としては、「メイキング」「リチャード・ジュエルの真実の物語」の計14分が収録されている。「メイキング」では、クリント・イーストウッド監督やキャストらのインタビューと撮影風景が収められていて、この冤罪事件の映画化についてコメントしている。イーストウッドは本作の映画化を熱望していたらしく、「誰にでも起こりえる悲劇」だということを本作を通じて伝えたかったと語っている。主演のポール・ウォルター・ハウザーはイーストウッドの映画を観て育ち、出演を夢見ていたので演じられて光栄だと言い、キャシー・ベイツも本作のオファーに驚いたと語っている。サム・ロックウェルは役者経験のある監督と仕事をすると思いやりを感じ信頼してくれると、イーストウッドを称賛している。イーストウッドの演出は現場で「アクション」という掛け声もかけずに、カメラが回った合図は指を回すだけの独特の手法だったとキャシー・ベイツが語っているが、どうやら馬を怖がらせない為らしく西部劇の名残だというのが面白かった。長回しによる役者のアドリブを待つ手法も健在のようだ。
作品としては、「グラン・トリノ」や「アメリカン・スナイパー」の巨匠クリント・イーストウッドが1996年のアトランタ爆破テロ事件を描いたサスペンスドラマで、実話をベースに作られている。主人公リチャード・ジュエルを「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」で忘れられない怪演を見せていたポール・ウォルター・ハウザー、母親のボビを「ミザリー」「ミッドナイト・イン・パリ」のキャシー・ベイツ、弁護士ブライアントを「スリー・ビルボード」「ジョジョ・ラビット」のサム・ロックウェルがそれぞれ演じている。イーストウッド89歳、通算40本目となる監督作となる本作は、イーストウッド本人の出演はなく派手さもないが、しっかりとした演出と俳優の名演によって作られた佳作だと思う。最新作「クライ・マッチョ(原題)」は、2021年公開予定ということで楽しみだ。
監督:クリント・イーストウッド
出演:サム・ロックウェル、キャシー・ベイツ、ポール・ウォルター・ハウザー
日本公開:2020年