映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は237本目。タイトルは、リチャード・ドナー監督による2006年公開作品「16ブロック」。特典映像としては「キャスト/スタッフのインタビュー集(9種)」「もう1つのエンディング」で、計30分が収録されている。「キャスト/スタッフのインタビュー集(9種)」では、リチャード・ドナー監督が「本作の脚本が描いたのは、2人の特異な人物だ。衝突しながらお互いの関係や自分自身を変えていく。(ブルース・ウィリスとモス・デフが演じた)ジャックとエディの道中は常に危険と隣り合わせで、何よりも脅威なのは敵がジャックの20年来の相棒だという事だ。この映画は張り詰めた緊張の中で描かれる追跡劇なんだ。」と言い、「アクションシーンは簡単だ。意表を突けばいい。その一方で難しいのは登場人物の関わり合いを、いかに描くかだ。本作の中心はアクションじゃなく2人の男の関係で、彼らの交流を描きながら物語の山に向かっていくんだ。」と語っている。さらにブルース・ウィリスは、「奇妙で特殊な状況で生まれる友情が本作のテーマだ。この作品の特徴でもあり難しくもあったところは、物語がリアルタイムで進むところだよ。だからこそ観客は追跡劇に引き込まれる。リチャード・ドナー監督とはいつか組んでみたかった。彼は映像で巧みに物語を描く方法を熟知していて、今の若手ハリウッド監督にはマネのできない技がある。頭の中でカメラを回していて、映画の完成像がすでに見えているんだよ。」とインタビューで語っている。
作品としては「リーサル・ウェポン」シリーズ、「スーパーマン」「グーニーズ」などのリチャード・ドナー監督が、「ダイ・ハード」「シックスセンス」のブルース・ウィリスと組んだ刑事アクション。劇場公開された作品としては、リチャード・ドナー監督の遺作となる。共演は「キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語」のモス・デフ、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のデヴィッド・モースなど。特に、ブルース・ウィリスとモス・デフの”バディムービー”的な掛け合いがこの作品の大きな魅力となっており、アフリカ系アメリカ人と白人刑事のコンビという設定や、冒頭アル中気味で登場するブルース・ウィリスの姿などから、特にジョン・マクティアナン監督の「ダイ・ハード3」を彷彿とさせる。非常にリチャード・ドナーらしいウェルメイドなアクション映画で、ブロックバスター的な過度な派手さはないが、作品の伝えるメッセージが明解なうえに鑑賞後は爽快な気分にさせてくれる快作だと思う。こういう良作を観ると、改めてブルース・ウィリスの引退が残念でならない。