映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は518本目。タイトルはピート・ドクター監督による、2020年日本公開作品「ソウルフル・ワールド」。特典映像としては、「キャラクターの背景」「見たことのない世界」「製作の舞台裏」「未公開シーン」「劇場予告編」で、計71分が収録されている。「製作の舞台裏」では、監督のピート・ドクターが「この映画の企画を話した時、物語のテーマを聞かれたんだが、”人生の意味”と答えようとして、自分で尊大で傲慢だと慌てたよ。”そんな映画を誰が観るんだ?”とね。ジャズミュージシャンの素晴らしさは観客の気持ちを掴めることだ。その場のノリで選んだメロディやベース奏者のリフから突然の新しい発想が生まれ、胸の想いがあふれ出すのがジャズなんだ。そして主人公のジョーはその音楽の道しかないと感じていて、情熱的に人生でやりたい事がある人物だが、多くの人が”自分には何かが欠けている、何が悪いんだろう。自分は取るに足らない存在なんだ”とまるで”22番の魂”と同じような気持ちなんだよ。」と言い、プロデューサーのダナ・マレー&ストーリー監修のクリステン・レスターは、「やる気や情熱はいいものだと思われているけど、そのせいで人生を楽しめない可能性もあるし、他の才能を見落とすかもしれない。1つのことしか目に入らないせいでね。最後に主人公ジョーが追い求めるのは、もっと普遍的で大切なものなの。才能とやりたいことがあるから人生は意味を持つけど、家族を愛しコーヒーを楽しむことも大切なのよ。二者択一じゃなくて、それを合わせたのが意味のある人生なんだという素敵で力強いメッセージなの。みんなが心の奥底で人生の目的を探しているけど、この作品を観た人は”人生自体が贈り物”だと分かるはず。毎日の小さな瞬間が何よりも大切なんだとね。」と語っている。
脚本家のマイク・ジョーンズは「構想の中心は生まれる前の世界で、”赤ちゃんは生まれた瞬間から個性を持ってるが、それぞれが持つ個性の元は何なのか?性格的特徴の組み合わせで無限の人格が出来るのは何故か?”だった。それが作品の出発点だったね。主人公ジョーがミュージシャンという設定ならストーリーを描きやすいと思った。短時間だが俳優という設定もあったが、監督と僕が大好きなジャズミュージシャンに変えたんだ。」と答えている。
作品としては「モンスターズ・インク」「カールおじさんの空飛ぶ家」や、2024年に続編が大ヒットしている「インサイド・ヘッド」の1作目を手がけたピート・ドクター監督の2020年作品。コロナ禍ではDisney+配信のみだったが、2024年には改めて劇場公開されている。音楽が重要な作品で、「ソーシャル・ネットワーク」などのトレント・レズナー&アッティカス・ロスのコンビが劇伴を手掛けている。またアニメ界のアカデミー賞と言われるアニー賞を制したほか、第93回アカデミー賞でも「長編アニメーション賞」「作曲賞」を受賞した。ソウルの世界に落下したジョー・ガードナーと22番ソウルを主人公に、人生の素晴らしさや煌めきが深く描かれている作品で、ピクサー作品の中でも屈指のメッセージ性があり、完成度としてもアニメ映画史上に残る傑作だと思う。
監督:ピート・ドクター
声の出演:ジェイミー・フォックス、ティナ・フェイ、グレアム・ノートン、レイチェル・ハウス、アリシー・ブラガ
日本公開:2020年