映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.555:「デス・ウィッシュ」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は555本目。タイトルはイーライ・ロス監督による、2018年日本公開作品「デス・ウィッシュ」。特典映像は「『デス・ウィッシュ』の裏側」「削除シーン(イーライ・ロス監督×プロデューサー:ロジャー・バーンバウムによるコメンタリー付き)」「ザ・マンカウショウ」「スウェイ・イン・ザ・モーニング」「海外版予告編集(4種)」「日本版予告編・特報」で計35分が収録されている。「『デス・ウィッシュ』の裏側」では、イーライ・ロス監督が「悪と戦うヒーロー像は人によって異なる。だからヒーロー映画が人気なのさ。強く正しい主人公が犯罪や悪と戦う。そういう意味ではこの作品もヒーロー映画だ。悪党と戦う男を描いているからね。閉塞感や絶望感が漂う中、街に出て悪と戦うヒーローを描きたかったんだ。少しでも現実に寄せるために細心の注意を払った。事件を捜査する刑事は無能ではなく賢く、人間味に溢れている。法を犯した人々へのメディアの過熱ぶりやネットの悪ノリが招く悲劇も描いたよ。とりわけ表現したかった事は、模範的な生き方をしてきた男が行き詰まり、暴走する姿だ。医者は気持ちを切り替えるのが上手い。患者に同情したとしても医学的に治療しないとダメだから、どんな患者を前にしても冷静でいるんだ。気持ちを切り替える能力は”死神”になる時にも役立つ。普段の自分と死神を切り替えられるんだ。」と言い、「作中のアクションシーンはすべて変化を持たせた。同じ動きを繰り返すのは避けたかったんだ。特に1つ目のカージャックのアクションは大掛かりだった。僕らはすでに主人公の射撃練習のシーンを観ている。だから、ここが初めての実践の場になるんだ。実際に警察に聞いたら、狙った相手が9メートル先にいても銃を奪われる可能性があるそうだ。緊張で硬くなったところに犯罪者が走ってきて殺される。だから主人公もパニックになり銃を撃ちまくるんだ。野性的でアドレナリンが湧き出る瞬間で、彼が死神に変わった瞬間なんだよ。そしてここで救える命を見殺しにする選択をしたんだ。」と語っている。

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また「本作では倫理的な境界線が動く様子が面白い。主人公は道徳的で命を救う仕事をしているが、自分を正当化するために境界線を動かしている。その主人公の変化を表現したかった。彼には正当性があると思っているんだよ。だが銃の扱い方も知らない素人が作品の後半では冷酷な殺人者になる。戦闘スキルを身に付けた主人公はまるで、”ジョン・マクレーン”さ。現在進行形で情報を共有し、ネットを通じて情報が広まる様子も描いたよ。彼は解決する事も諦めることもできずに、地獄に落ちていくんだ。ブルース・ウィリスにも娘がいるから、娘を思い出しながら演技していたと思うよ。彼には身近な感情だ。ブルースの人間臭さは彼の強みの一つだね。ブルースが悪党を懲らしめる姿は最高だが、それ以上の何かを考えさせられる作品だよ。」と答えている。

 

作品としては、マイケル・ウィナー監督/チャールズ・ブロンソン主演で大ヒットした「狼よさらば」を、ブルース・ウィリス主演/「グリーン・インフェルノ」「ノック・ノック」のイーライ・ロス監督がリメイクしたリベンジ・アクション。今は俳優を引退してしまったブルース・ウィリスの演技がしっかり楽しめるし、観客のターゲットも明確な作品だと思うので、ジャンル映画が好きなら楽しめる映画だと思う。オリジナルの「狼よさらば」よりはメッセージも含めて軽めの娯楽作品になっているが、イーライ・ロス監督らしいゴア表現やホラー演出もあるし、アクション映画のファンであれば楽しい一本だろう。

 

 

監督:イーライ・ロス
出演:ブルース・ウィリス、ビンセント・ドノフリオ、エリザベス・シュー、カミラ・モローネ、ボー・ナップ
日本公開:2018年