映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は561本目。タイトルはフェデリコ・フェリーニ監督による、1957年日本公開作品「カリビアの夜」。特典としては、岡本太郎氏によって執筆された12Pブックレットが封入されている。主演はジュリエッタ・マシーナで、第10回カンヌ国際映画祭で主演女優賞に輝いた他、第30回アカデミー賞では見事「外国語映画賞」を受賞した。また「スイート・チャリティー」というタイトルで、シャーリー・マクレーン主演でハリウッドリメイクもされた作品だ。本作はフェデリコ・フェリーニ監督にとっても、「8 1/2」「道」「甘い生活」などに並ぶ代表作だろう。またジュリエッタ・マシーナとフェリーニは1943年に結婚しており、「道」「カビリアの夜」「魂のジュリエッタ」「ジンジャーとフレッド」で監督と主演のコンビを組んでいるが、フェリーニが息を引き取るまで二人は寄り添い、良好な夫婦関係だったようだ。
作品としては、ある不遇な娼婦の人生を描きつつ、それでも明るさを失わない主人公カビリアをジュリエッタ・マシーナが生き生きと演じている。不幸な境遇に置かれながらも、仲間に夢を語り明るく前向きに生きる娼婦カビリアがある夜、有名な映画俳優と知り合い、彼女を豪邸へ連れ帰るが彼の元恋人が現れカビリアは追い出されてしまう。さらに数日後、カビリアは見世物小屋で出会った青年オスカーに求婚されたことで人生をやり直すチャンスを掴むのだが、それでも過酷な運命が彼女を待っていたという内容で、不思議な余韻を残すラストシーンは非常に有名だろう。最近でもショーン・ベイカー監督の「ANORA アノーラ」など本作に色濃く影響を受けた作品も多く、フェデリコ・フェリーニの代表作であり映画史に残る傑作だと思う。
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:ジュリエッタ・マシーナ、フランソワ・ペリエ、アメデオ・ナザーリ、アルド・シルヴァーニ
日本公開:1957年