映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は569本目。タイトルはジョセフ・サージェント監督による、1975年日本公開作品「サブウェイ・パニック」。特典映像は「ヘクター・エリゾンド インタビュー」「ジェラルド・グリーンバーグ<編集>インタビュー 」「デヴィッド・シャイア<音楽> インタビュー」「劇場予告編」「フォトギャラリー」で、計35分が収録されている。「ジェラルド・グリーンバーグ<編集>インタビュー 」では、「ジョセフ・サージェント監督の事は知らなかった。当時、彼はカリフォルニア在住で私はニューヨークにいたんだが、この作品は撮影をニューヨークで行っていたんだ。監督はたくさんの撮影が必要で多忙だから、すぐには編集には関われないものだ。地下鉄や街中での撮影で現場の仕切りが大変だからね。だから監督は編集室にはあまり現れなかった。それに持ち込まれるフィルムが多かったんだ。だからサポートの編集者と担当するシーンをジャンケンで決めたものさ。さらにこの作品には問題があったんだ。監督が本作を映画として形にするのに苦労していたから、解決するために話し合いが持たれて、”追跡シーン”を加えることになった。作品に刺激を加えて喜劇的な要素を減らすためだ。」と言い、「また撮影を始めたあとに技術的な問題もあった。各車両が直流電流で動いていて、1車両で出せるスピードが時速8~16キロ程度だったんだ。脚本に描かれた速度を出すには6両が必要で、32キロ出すには車両を繋ぎ電動機を増やす必要があったんだよ。だから脚本にも欠点があったのさ。スピード感を演出するのに、現在みたいにCGIで簡単に加工できなかったんだよ。それでもピーター・ストーンの脚本は見事だったし、役者のウォルター・マッソーやマーティン・バルサムは流石だった。シリアスな映画におどけた感じも残しつつ、うまくシリアスな要素を持ち込んでいた。撮影監督のオーウェンとは『フレンチ・コネクション』で一緒に仕事して面識があったから、私にとっては喜びだった。すごい才能に恵まれた彼の撮影が見れるからね。」と語っている。
作品としては、「地球爆破作戦」「デビルゾーン」などのジョセフ・サージェント監督が手掛けたパニックアクションで、2009年には「サブウェイ123 激突」というタイトルで、トニー・スコット監督/デンゼル・ワシントン&ジョン・トラヴォルタ出演という豪華キャストでリメイクされている。1970年代における「大空港」「ポセイドン・アドベンチャー」「タワーリング・インフェルノ」などの”パニック映画ブーム”に生まれた佳作だが、犯人達がお互いを色のニックネームで呼び合う設定が、クエンティン・タランティーノ監督の「レザボア・ドッグス」に影響を与えていたりと今なお評価は高い。特に本作はラストシーンにおける、ウォルター・マッソーによる1カットの”切れ味”が有名だろう。リメイクよりも圧倒的にオリジナル作品の方が出来が良いと思うが、ウォルター・マッソーやロバート・ショウなどの名優の存在が大きいと思う。
監督:ジョセフ・サージェント
出演:ウォルター・マッソー、ロバート・ショウ、マーティン・バルサム、ヘクター・エリゾンド、アール・ヒンドマン
日本公開:1975年